”点”、そして”面”

 

今日から、2回にわけてこの二つ単語による表現を用いた記事を書いていきたいと思う。

後述するが、これは今や深刻な社会問題を引き起こしている新型コロナウイルス感染に解説を加えた東京医科歯科大学濱田篤郎教授の言葉を参考にしている。

時事メディカルHPhttps://medical.jiji.com/topics/1559

 

 

 

昨年末より歯科助手として当院のパート勤務を始めたNさん。

 

現在、就学中で休みの日を利用しての勤務である。

ウチでは学生さんの採用は初めてで、当初、本当に務まるだろうかとの不安があったことも正直なところ。

面接時、幾つかの質問をしている際、緊張した面持ちの中にも、仕事に対する熱い想いが見てとれ、限定的な業務内容になるものの任せてみようという気持ちになった。

 

冬期休暇中に、ほぼ毎日来院してくれ、おそらく始めて聞くであろう専門用語が飛び交う中、メモ帳を常に脇に置いて熱心に取り組んでくれた。

年初、冬の休みが終わる頃にはこちらの望む業務をほぼこなせるようになっていた。

びっしりと書き込まれたメモ帳は、清書を行ってリファインされ、付箋を貼って情報をすぐ取り出せる2冊目のものになっていた。

スタッフ評は皆口をそろえて”手のかからない学生さん。本当に良くやっています”だった。

年末最終日、何気ない会話の中で将来的に歯科医療に携わりたいという言葉を聞いた時は本当に嬉しかった。

 

現在、コロナ問題による早めの春休みということで、再び一緒に仕事を手伝ってくれている。

 

診療器具の片付けや滅菌・消毒のための前準備、滅菌パッキング、床やガラス窓、トイレ掃除等々の院内環境整備、模型の整理や用紙の整理など、恐らく患者さんと対峙するいわゆる”治療”とは縁遠いと思われるような仕事の1パートをもっぱら担当している。

 

 

これら今こなしている各作業は、彼女の目には、きっと一診療所の”点”というべき仕事であると認識していることだろう(”点”は小さいという意味ではなく、1場面、1ポイントを表す)。

しかしながら、これらの仕事はすべて先の”治療”、すなわち狭義の診療業務へと密接に繋がる重要なものである。

どれが欠けてもウチのモットーである『安全、安心の医療』は成り立たない。

 

時間が経ち、Nさんにとって、各”点”が連なり、早く”面”になることを望んで止まないところである。

 

つづく