第43期名人戦挑戦手合-第二局

さぁ、第43期名人戦、挑戦手合七番勝負の第二局の二日目です。
井山名人が連勝するのか張栩挑戦者が巻き返すのか楽しみな一線です。

棋譜動画

観戦感想

封じ手

封じ手は白△のトビでした。
私の予想はAのワリコミでしたが、余計なことはせず
しっかりと封鎖して、黒に生きを強要するわけですね。

この左辺の黒が頓死すればもちろん碁はオワ、ですが
張栩挑戦者が打ってるのですから当然シノギはありました。

プロはすぐにコウを開始しない

進んでこんな局面。左辺の一線を、白黒ともにハネて、
コウを辞さないと打ったところです。

われわれアマチュアは、こんな局面なら即白1と切って
さぁコウだ!と意気込むことが多いのですが、さすがプロは違いますね。

黒のハネが打たれたのが123手目。
コウが実際に発生したのは実に27手も先の150手目。

この間に白は中央から右辺の黒地の削減を行いつつ
後をにらんだコウ材もしっかり作っています。

すぐコウに行かずに、コウ材を作ってから実行するということができれば
棋力アップ間違えなし!かもしれません。

コウの解消

上辺の白のコウ立てに挨拶せず。黒がコウを解消しました。
黒△のコウ解消に白が△と受けた局面です。
この時点では、白が明らかに得をしたように見えます。

例えば、黒はコウ立てを受けてこのように生きることはできたと思いますが。
黒6と屈服して受けるよりは、捨てて打った方が得という判断なのかな?

この時点の、形勢の感触@素人判断

大雑把に大所だけ簡易に処理してみた感じがこんな図。

黒1からコウは白が謝ったとして、黒7から9と切り取り右辺をやや拡張。

下辺のキリトリを相互にやったくらいにして、
ざっとみると盤面勝負な印象=白が優勢と思いました。

少し進んでわかりましたが、黒9のキリが成立しませんでしたが。

逆に上辺黒が弱くなっていて、
一時シノギ勝負になるかという展開でしたが
結果は、白が黒の9子を、黒が白の7子と上辺で死んでいた石の生還
と、いうフリカワリになりました。

勝ちました

白が△にツイで勝ちましたと宣言した局面。
あのフリカワリがあっても、なお白が逃げ切れると判断されています。

この後もヨセやらコウやらが続き、一時オイオトシが発生したり
一瞬黒が逆転したかというハプニングもありましたが、
白が、際どく凌いで逆転には至らず、白の二目半勝ちとなりました。

実に336手にも及ぶ長丁場となりました。
何度もコウが発生し、フリカワリなども含めて、双方のアゲハマが37個ずつ。
ちなみに、並べて作ってみましたが、黒9目、白5目となりました。
全体を通じて、非常に難解な碁だったと思います。

これで、井山名人が2連勝。防衛に向けて勢いに乗ってきました。
このまま、井山名人が勢いのままに防衛しきるのか?
張栩挑戦者が、意地を見せて返してくるのか?

注目の第三局は9月25日、26日にかけて打たれます。

第43期名人戦挑戦手合まとめ記事はこちら。

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