月の晩にひらく「アンデルの手帖」

writer みつながかずみ が綴る、今日をもう一度愉しむショートショート!「きょうという奇蹟で一年はできている」

変わらないために、変わらなきゃあ。という危機感

2018-11-01 23:28:16 | writer希望を胸に執筆日記







先月は、月の半分は急ぎの案件もなく夏以来のんびりしていた(10月初旬)。

こういった時こそ、日頃書いてみたかった長いものに腰を落ち着けて取り組んだり、今後の長期展望を前につくっておかねばならない資料をつくったりと、やることは沢山あるのに(今こそどう時間を使うかが大事!)
普段つい忙しくて不義理をしていた友達と親睦を深めてしまい、今日はこちらへ、この日はこちらへと、昼間は出歩いてばかりいた(仕事は夜中心)。

そうこうしていると、仕事の依頼が、1つ2つ入り、アッという間に2ケタほどたまり12月までのスケジュールが埋まっていく。

最近ふと思う。
できること、面白そうなこと、ちっと無理かなとも思うけれど背伸びしてやらせてもらうこと。時間さえあれば必ずできるが、とりたて私でなくとも良いのではと思う案件。
依頼が重なれば、時間がなくて良い仕事にならない、というのも先方に申し訳ないのでお断りすることも…。

けれど、その「ものさし」って自分の場合は何だろうか。
「早いもの順」ではなかったか?

フリーランスになる前の会社勤め時代が長かったせいもあり、仕事をふるいにかけることがどうも苦手だ。

広告会社でのコピーライターの頃は、上司にわたされた案件はイヤだろうが安かろうが、悩みまくるほど難しいものだろうが、面倒くさくあろうが絶対に受ける義務があった。自分のネームなどこだわることもなく、匿名案件があたり前。会社のため、チームのため、自分の居場所をこしらえるためにいつも必死で働くのがあたり前だったから。

一見は都合のいいように使われているようで、実は都合のいいようにクライアントさんのお仕事をさせてもらう、のがフリーランスになってからのスタンスだったけれど。
そろそろ年齢も年齢だし、この先どんなものを書いて人生を全うするつもりなのかを先読みしながら仕事をしていかないと、とも思う。(あなた何歳のつもりだ)

いつも思っていたのだ。空の上のお方が采配してくれているから、私がそんなこと心配することもない。いただくものをその時々の都合で取捨選択してしかり、だと。なぜなら、今月はもうこれで十分!と思ったらピタッと止まり、そろそろ新規案件が来る頃だな、と予感すると同時に仕事が舞い込むことも、「思ったらそのとおりになる」ことが非常に多くあるからだ。
なに、自然でいれば良いのだよ、と腹をくくっていた。

けれど、いよいよ「直感」と「長尺」で采配していく必要があるのかもしれない。





先日書かせていただいた記事のなかで、クリエイティブディレクターの方の仕事現場と企業ブランディングについてご紹介させていただくものがあった。

その方は、企業のCMから、商品開発、広告、パッケージデザイン、webデザイン、イベントに至るまでトータルデザインを得意とされる方である。その方はこんな風に話されていた。


昨今。ネットが経済の中心を担うことで、消費者の購買行動も多様化している。そうした背景の中で選ばれる価値とは、個々の個性を競い合う仕事ではなく、「同じ思考に基づいてつくられた一人格(One personality)のデザインを、金太郎アメみたいに、多層に生み出すことが大切」。

一気通貫してデザインを整えていないと、お客さんは価値ある魅力として記憶に留めておくのが難しい」のようなことをいわれていた。

彼は、そのOne personalityの仕事を生み出す時には「その商品がどういうことを願って生まれた商品なのか、世の中に対してどんな立ち位置で、どんな役割があり、どこが他と違うのか」と自分にインタビューしていきながら1つの人格をつくりデザインに込めるのだそうだ。


「世の中はどんどん大陸のプレートみたいに動いていて、今この瞬間から古くなっていくのが現状です。みんなの意識の中に深く浸透し、魅力を打ち打していくには、変わらないために変わらなきゃあいけない」


書きながら、ものすごく附におちた。

私は有名クリエーターさんや起業家の方や企業の広告宣伝の方の記事を定期的に書かせてもらい、人生の種まきから咲かせ方、みたいなものを教えてもらい、ハッと開眼して、それらを記事にさせていただくのだが。一度、大海に放ったなら、すぐに次事に、心がうつる。

そうやって沢山忘れ、沢山かいてきた。

でも、今、自分に残しておかなければならない。そんな言葉と出会った。

「クライアントのお金をつかって、自分の作品づくりをしてはいけない」
「ひとりの人格をつくるように、モノをつくる」
「変わらないために、変わらなきゃあいけない」


なにもデザインだけではない。言葉とて、そうだ。
「文体」。
文字にする言葉。書かない言葉も、同じくらい大事。
時に、気まぐれに、気分で、ものを書いてはいけない。
自分を、いつものあるべき環境(空気の中)で書けるように準備すること。
いろいろ、頭では理解しながら、それでも。

ずーっと同じ調子で「変わらずに」この道で生きてきた気がする、それも随分と長く。

いろいろ思う、新しい暦の月に。





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