印象派と美術のはなし
ども。
この本についてです。
帯に、日本人はなぜ印象派が好きなのかわかる!みたいな文言があって、
面白そうやんけ、と思って買いました。
10ページ目に既に理由書いてましたね。そんな出オチ。
きっと一冊かけて論証するんだろうな的先入観。
実際、印象派って人気みたいですね。印象で判断できるお手軽さもあり、他の絵画みたいに読み解く必要もなく楽しめ。現代美術ほどの背景も求められず。
美術には元々興味があったので、大学で近代芸術史のクラスを取ってました。びじゅチューンで授業する面白先生。
学部にも、美術と倫理を専門にしていらっしゃる先生がいるので、なんとなく美術と縁があります。
玄関にマティス飾ってるような家に生まれたからですかね。
一見いいとこのお坊っちゃんに見えて、マティスが野獣派の画家というところがポイントです。
受けた近代芸術史の通り、この本の1章もそんな内容で。
印象派関係の美術史をさっとさらう、みたいな。
2章から後は、印象派の鍵になるマネやモネ、ドガ、らへんの人たちの人物史を絡めながら、1章の内容をより詳細にさらって行くような。
二重に同じ内容さらってくれるのほんと分かりやすくて助かります。深度と観点も変えて。
授業では、芸術史に画商絡めた話教えてもらってないのでそこら辺が特に面白かったです。
所属してる研究会で最近、芸術の価値がいかにして決まるか、みたいなディスカッションをしたのを思い出します。金ないと行きてけませんしね。
ずばり、この本の素晴らしいところは図版です。
文庫なのにカラー。
本文の前に引照付きでまとめてあるので導入にも最適。
図版と文章の混ざった読みにくさもなく。
引照も、一回引いて終わりではなく、本文中に何度も別の文脈で押さえられ。
この人、わかってるなぁ。
そんな一冊でした。
ちくま文庫で裏表紙が敬体なのも珍しい気がします。