『阪急百貨店とのつながり』
オリンピック景気、いざなぎ景気の後押しで、
その頃は会社の設立や工場竣工などのパーティが数多くありました。
そういったパーティはその場所で行う為、
備品や人員など必要なものはすべて運び込みです。
中でもメインとなる料理は、
まだそういったパーティ料理を専門とするケータリング会社などありませんでしたから
近くのレストランに頼むのが一般的でした。
しかし大がかりなパーティの料理ともなるととても対応しきれず、
その場合は大阪で一番の規模・一番の設備をもっていた
阪急百貨店の大食堂、こちらに依頼するのが常だったそうです。
そういったことから、
パーティ会場で阪急百貨店の食堂関係者と顔を合わす機会が度々あり
いつの間にか顔なじみもできました。
仕事が増えたとはいえ、まだまだ駆け出しのニューバンケット。
どこにきっかけがあるかわからない、と
積極的にあちこちに営業していましたから
せっかく知り合いになったし、そしてなにより会社からすぐそこだし、と
その顔なじみの方々を尋ねて
頻繁に阪急百貨店に顔を出すようにしました。
しかし大阪でも超一流と名の通った百貨店。
追い返しはしませんが
小さな会社はなかなか相手にしてもらえません。
それでもへこたれずに
出向いて、雑談して帰る、を繰り返して数か月、
ある日突然、食堂の上部の方が
「君んとこ容姿端麗なええ子集められる?」と声をかけてきました。
聞くと、百貨店新館のオープンに伴い
最高級の喫茶店を開こうという計画があり
スタッフは、仕事ができるのはもちろんのこと
やっぱり容姿端麗でないとあかんやろ、
でもそんなんどうやって集める?と相談していて、
あ、そういえばニューバンケットって会社がよく来てるよな、という話になっていたらしいのです。