さて…
今、君は電車に乗っている。
埼玉県から東京に走る、そう埼京線だ。
混んではいない。午前10時ぐらいだから。
そして目の前にある女性のおしりだ。
それが今日の問題だ。
君はニートだ。
自分で働きもせず、しかしスマホとiPadを持っており、ちょうど今、電車に揺られながら絶妙な体幹バランスにより、プレイステーションvitaで遊んでいる。
家に帰れば、小学校低学年の時に与えられた自分の快適な部屋がある。(長男の特権)
AKBのポスターは貼っていないが、初音ミクのポスターが自分のベッドの真上の天井に貼り付けられている。
今日は西武池袋で行われるミニライブに出張だ。
でも君は33歳。
そろそろ現実を知って、独り立ちをしなくちゃね。
朝立ちじゃないよ。(それは十分)
父親も来年で、もう定年だよ。
母親は次男しか期待しちゃいないけどね。
さあ、目の前のお尻を触ろう。
触ったね。
女子大生だね。
あれ、思ったほどやわらかくないね。
うん、揺れる電車内で足を突っ張って立っていて、ジーンズで、ちょっと痩せすぎだからかな。
次だ。
隣の女子高生のお尻を触ろう。スカートだ。
ほら、やわらかい。むちっとしているね。大きいおしりだね。
あ、そんなに強く触ったらだめだよ。
おしりが思ったより硬めだったり、柔らかかったり、小さかったり、大きかったり、そんなに大したことなかったり、でも興奮したり…
しかも細く見えても、結構大きかったりするからね。おしりは。
これがリアル、そしてさらに現実世界に本格チャレンジだ!
駅員に引き渡されたね。警察も来たね。母親が泣いているね。弟が冷たい目で見ているよ。
父親は君をとうとう勘当して家を追い出すよ。
やったね。リアルが充実しているよ。