机に向かい軍議をしている明智光秀たち。
少し離れたところで、織田信長が光秀たちに「何か」を送っている。


家臣1
「明日の戦ですが、
 東の山から攻めるのがいいのではないかと。」

信長
「(少し離れたところから、光秀たちに何かを送っている)むむむむむ・・・。」

光秀
「しかし、ここの坂は急だ。
 気づかれてしまっては逆に不利になる。」

信長
「(光秀たちに何かを送っている)むむむむむ・・・。」

家臣2
「やはり、正面から攻撃するべきでは?」

信長
「(光秀たちに何かを送っている)むむむむむ・・・。」

光秀
「だが、相手の陣営は高台にあるから、正面からの攻撃は分が悪い。」

信長
「(光秀たちに何かを送っている)むむむむむ・・・。」

光秀
「(振り返り)信長さま。何かお知恵を・・・。」

信長
「(光秀たちに何かを送っている)むむむむむ・・・。」

光秀
「・・・信長さま?」

信長
「・・・ん?」

光秀
「明日の戦のために、何かお知恵を。」

信長
「・・・お前たち、飛ばない?」

光秀
「・・・はい?」

信長
「気を送ってるのだが。」

光秀
「気ですか?」

信長
「先日、気功の達人に教わった。
 明日の戦で役立つぞ。」

光秀
「あー・・・。」

信長
「今、練習としてお前たちを吹っ飛ばすから。」

光秀
「私たちを・・・。」

信長
「(光秀たちに)はぁっ!!」

光秀家臣1家臣2
「・・・(全く動かずに信長を見ている)。」

信長
「・・・。」

光秀家臣1家臣2
「・・・。」

信長
「・・・飛ばないのか?」

光秀
「いや、飛ぶも何も・・・。」

信長
「ワシが気を送ってるのに・・・飛ばないのか・・・?」

光秀
「ヤバい!
 信長さまがキレる!!」

信長
「ワシの気ではお前たちは倒れないのかぁっ!!」

光秀
「すみません!信長さま!
 飛びます飛びます!
 もう一度、我々に向かって気を送ってください!!」

信長
「むぅ・・・!
 では、いくぞ。」

光秀
「お願いします!!」

信長
「(目を閉じてゆっくり手を動かし)むむむむむ・・・。」

光秀
「(小声で家臣たちに)いいか。
 『はぁっ!』の瞬間、方々へふっ飛べ。」

家臣1
「(小声で)わかりました。」

信長
「はぁっ!!」

光秀家臣1家臣2
「うわー!!(吹っ飛ぶ)」

信長
「どぉだー!」

光秀
「さすがです!信長さま!!」

信長
「3ヶ月で習得した!」

光秀
「おぉー!
 (小声で家臣たちに)長いのか?短いのか?」

家臣2
「(小声で)相場がわかりません。」

信長
「まだまだ強くなれるから、期待してろ。」

光秀
「信長さま。軍議の方は?」

信長
「そっちは任せた。」

光秀
「そうですか・・・(席に着く)」

信長
「(光秀たちに)はぁっ!!」

光秀
「(信長を見て)お前たち!飛べっ!!」

光秀家臣1家臣2
「(吹っ飛ぶ)うわー!!」

信長
「どぉだー!」

光秀
「信長さま。やめてください。
 今、大事な軍議の最中です。」

信長
「この気功をマスターすれば、ワシは無敵だ。
 軍議など必要ない。」

光秀
「信長さまを前線には出せません。
 作戦は作戦で必要かと。」

信長
「むむむむむ・・・。
 (光秀たちに)はぁっ!!」

光秀
「(家臣たちに)飛べ!!」

光秀家臣1家臣2
「(吹っ飛ぶ)うわー!!」

信長
「ふふふふふ・・・。
 (光秀たちに)はぁっ!!」

光秀
「(家臣たちに)飛べ!!」

光秀家臣1家臣2
「(吹っ飛ぶ)うわー!!」

信長
「ははははは!
 とんでもない技を会得したぞ!!」

光秀
「・・・確かにとんでもないです。」

信長
「ただ、ひとつ気になることがある。」

光秀
「何でしょうか?」

信長
「気を送ったあと、
 光秀の『飛べ!』というワンクッションがあってから、みんな吹っ飛ぶんだが・・・。」

家臣1
「光秀さん!しっかり聞こえてます!!」

光秀
「あれは私のクセです!
 『痛い!』みたいに反射的に出るものです!」

信長
「お前、変わってるな。」

光秀
「(小声で)あなたほどでは・・・。」

信長
「よし、もっと技を磨こう。」

家臣2
「光秀さん、軍議を。」

光秀
「そうだな(席に着く)。」

家臣1
「おとりを用意して、本陣は後ろに回り込むというのは?」

光秀
「いや、相手の陣は四方が窪地に囲まれている。
 回り込む戦法は難しい。」

信長
(無言で光秀たちに向かって両腕をぐるぐる回している)

家臣2
「手前で待ち伏せ、相手の軍勢が窪地から出てくるのを待つというのは?」

信長
(無言で光秀たちに向かって両腕をぐるぐる回している)

光秀
「うまく相手を誘導できればいいが・・・。」

信長
(無言で光秀たちに向かって両腕をぐるぐる回している)

家臣1
「(信長に気づき)光秀さん!気を送られてます!」

光秀
「はっ!(信長を見て)倒れろ!!」

光秀家臣1家臣2
「うわー!」

信長
「ちょっと時間がかかったな・・・。」

光秀
「信長さま!やるならやると言ってください!」

信長
「明日、ワシは高台から気で狙撃するつもりだからな。
 不意打ちの練習だ。」

光秀
「やめてください。
 みんな真面目に合戦してるんです。
 信長さまも戦ってください。高台で両腕をぐるぐる回してないで。」

信長
「よし、気の狙撃軍を作ろう。
 ワシが隊長だ。1000人もいれば十分だ。」

光秀
「ホントやめてください。1000人返してください。」

信長
「1000人の気の力ったらないぞ。
 面白いように吹っ飛ぶぞ。」

光秀
「面白いのは信長さまです。」



(翌日、合戦が始まった)



おたけび
「うぉぉぉぉーーーーーーっっっ!!」

足軽1
「おい!高台に誰かいるぞ!」

足軽2
「ホントだ。
 ・・・こっちに向かって両腕をぐるぐる回してるな。」

足軽1
「おい、あれ・・・信長じゃねぇか・・・?」

足軽2
「何してんだ、あんなところで?」

光秀
「隙ありぃーーーっっ!!」

足軽1足軽2
「うわぁーーーーっっっ!!」



(結果、合戦は大勝した)



信長
「気の力だな!」

光秀
「気のせいです。」

 

 
 
 
 

【コント・セルフ・ライナーノーツ】

先日、新宿で気功の看板を見て、気功と何かを組み合わせたら面白いと思い、

「気功に絶対の信頼を置く織田信長」という設定を思いつきました。

 

ラスト1行でキレイにおとせたと思いますが、いかがだったでしょうか。

 

【上演メモ】

人数:6人

信長

光秀

家臣1

家臣2

足軽1

足軽2

 

所要時間:4分~5分
上演難易度:★★☆☆☆
備考:戦国時代の歴史ものなので、今回も衣装が大変ですが、セリフでカバーでもいいかと思います。

動きを見せる部分があるので、音声コントは難しいかなと思いますが、

最後の合戦のシーンは音声だけにする演出もアリかなと思います。

 

【過去コントを5本チョイスしました。こちらもどうぞ。】

【コント】魔球
【コント】鬼が島の戦い
【コント】またつまらぬものを斬ってしまった
【コント】トリック・オア・トリート!
【コント】カギ屋、呼び出される。

 

 

 

【お題募集中】

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・内容によっては、ご期待に沿えないこともございます。

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