☆妊娠治療の有無によるお子さんの認知、運動、言語機能の違いは? | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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本論文は、妊娠治療の有無によるお子さんの認知、運動、言語機能の違いがないことを示しています。

 

Obstet Gynecol 2017; 129: 265(カナダ)doi: 10.1097/AOG.0000000000001837

要約:2010〜2012年に妊娠された方2,366名を対象に、出産後2年間のお子さんの神経学的な状態の追跡調査を前方視的に行いました(3Dスタディ)。お子さんの認知、運動、言語に関して、 Bayley乳幼児発達検査、マッカーサー乳幼児言語発達質問票を用いて分析しました(妊娠治療175名、自然妊娠1,345名)。妊娠治療の有無によりお子さんの認知、運動、言語機能の有意な違いは認められませんでした。

 

解説:妊娠治療の有無によるお子さんの身体への影響を心配されるご夫婦は少なくありませんが、本論文のみならず過去に発表された論文では、妊娠治療の有無によるお子さんの認知、運動、言語機能の違いはありません。安心して妊娠治療を受けていただきたいと思います。

 

下記の記事を参照してください。

2018.11.28「PGD実施後5歳児の発達調査

2018.1.13「PGS正常胚で妊娠したお子さんの9歳までの追跡調査

2017.7.21「体外受精による出生児の認知発達機能:生後11年調査

2016.12.20「TESE-ICSIで生まれたお子さんの長期予後

2016.10.30「妊娠治療で生まれたお子さんの知能調査

2016.1.10「体外受精妊娠と自然妊娠のお子さんの発達状態の違い

2013.11.20「体外受精のお子さんの神経学的長期予後

2013.4.14「自閉症と体外受精の関連は?