最近読んでよかった本 その77 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

最近読んでよかった3冊を簡単に紹介します。

なお、紹介の順番は五十音順にしています。

 

 

「少女」湊かなえ

公立の女子高「桜川高校」に通う「桜井由紀」と「草野敦子」。親友の自殺を目撃したことがあるという転校生「滝沢紫織」の告白から二人は、死体ではなく人が死ぬ瞬間を見てみたいと思う。二人ともお互いには告げずに、それぞれ死の瞬間に立ち合うために夏休みを利用して、由紀はボランティアグループに参加し大学病院の小児科病棟へ、敦子は体育の補習で特別養護老人ホームへボランティアに行くことになる。3人とも一見別々に見える話が最後に繋がって、驚愕の結末に!湊かなえさんの「告白」につぐ第2作目ですが、本当によく練られています。映画にもなりました。

 

 

「バリ3探偵 圏内ちゃん」七尾与史

現役の歯科医として歯科医院を開院する七尾与史の新しいシリーズ「圏内ちゃん」こと「緑子」は、ひきこもり探偵。夫との会話でさえネット経由。電波がバリ3表示(携帯のアンテナマークが3本全て立っていること)の場所でだけ安心して生きてゆける不思議なヒト。しかし、ひとたびオンライン掲示板を開けば、ハンドルネーム「圏内ちゃん」はカリスマ的存在だ。驚くべき情報収集力と推理力で、炎上した匿名アカウントの本人を特定するなど朝飯前。今回、左手の手首のみ切断する連続女性殺人事件が起きる。警察の信頼も厚い「圏内ちゃん」が真相を解明する。可愛らしい本書の表紙とは裏腹に、しっかりとした推理小説に仕上がっています。

 

 

「リケコイ」喜多喜久

喜多喜久さんの同級生のお話(らしい)。つまり、東大大学院(理系)の研究室内の恋愛話。修士課程1年の「森くん」は恋愛経験ゼロ。しかし、卒業研究のために他の私立大学からやってきた、黒髪メガネの年下リケジョ「羽生さん」に一目惚れ。彼女には彼氏がいて、しかも下ネタトークも大丈夫。「森くん」は妄想と現実に悶えながら「羽生さん」にアプローチを仕掛ける。「森くん」の行動は、はっきり言ってすべて裏目、というよりもやってはならないことをことごとく行ってしまう。これが恋愛初心者たるが所以か。不器用な「森くん」を応援したくなる青春ラブストーリーです。