Q&A2524 卵胞が少なく胚盤胞になりません | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 第二子治療中。今までも何度か質問させて頂いています。今後の治療のために再度質問させてください。


2回子宮内膜症の手術をしており、2回目の手術以降AMHは測っていませんが、手術前の時点で1.6程度でしたので、更に下がっていると予測されます。

第一子と同じフェリング300単位とクロミッド1錠で誘発しましたが、採卵できたのは3個だけでした。顕微授精で3個全て受精し、2日目で全て4分割となり、その時点では問題ありませんでした。しかし、4日目で分割が止まり、1つも胚盤胞にならず凍結できませんでした。

元々第一子の時も採卵数は少なく、4から6個程度でした。どの周期もAFは生理2日目で、2、3個と少なく増えません。FSHが高く、採卵を断念した周期もありました。採卵できた周期は16.4でした。

これ以上卵胞が増えるのはもう不可能でしょうか。やはり2回子宮内膜症の手術をしていると取れる数は少ないのでしょうか。医師からは高刺激をしているので、これ以上は難しいだろうと言われています。また、採卵し2日目までは分割も順調だったようですが、分割も止まってしまい、今後も同じような事になるのではないかと不安があります。何かできる対策はないでしょうか。

 

A 卵子は年月と共に減少しますので、AMHも低下します。子宮内膜症の手術でもAMHが低下しますので、卵胞増加の劇的な改善は期待できないと思います。ただし現在できることは確実にやっておく必要はあるでしょう。25OHビタミンD、DHEAS、テストステロンの採血を行い、不足分を補充することで卵子の改善が期待できます。また、イノシトールサプリもお勧めいたします。どなたも加齢につれて胚盤胞になりにくくなりますので、初期胚まで良好なのであれば、無理して胚盤胞を狙わず初期胚凍結で勝負した方が良いと思います。

 

なお、このQ&Aは、約2ヶ月前の質問にお答えしております。