Q&A2615 リプロで第1子出産、45歳で第2子は? | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q リプロ のおかげで44歳という高齢にもかかわらず、無事元気な赤ちゃんを昨年出産することができました。松林先生含め、リプロの先生、スタッフの皆様に感謝しております。現在45歳、リプロに胚盤胞が一つ、他院で初期胚を一つ凍結しています。帝王切開で出産をしてすでに一年がたち第二子出産をめざして移植を考えているのですが、色々気になることがあり先生に相談したいと思いました。

・出産後血圧がなかなか下がらなくて2週間入院(妊娠中は妊娠高血圧等の問題なし)。
・産後、関節痛で体が動かなくなり、リウマチを疑い整形外科へいったが問題なし、更年期やホルモンバランスの崩れかと思い婦人科へ行ったが問題なし。その後健康診断で白血球、CRPの数値が高く、再度病院で精密検査をしたが膠原病ギリギリ手前の数値で今後要注意とのことです。
・甲状腺機能低下(出産直前までチラージン 服用)プロテインS活性血が低く不育症(ヘパリン+バイアスピン)
・現在、円形脱毛症、頭皮の脂漏性皮膚炎。発症後2ヵ月近く経つのに皮膚の赤みや痛み痒みが治らない状況です。免疫疾患によるものらしいです。
・出産時臍帯血の採取をお願いしてたのですが、一度は採れなかったといわれ(結局少し採れたようですが)ほとんど取れなかった事も気にかかります。これは胎盤の血栓など関係あるのでしょうか。

ただでさえ高齢でこんな体の状態なのに移植したとしても、果たして妊娠維持、出産まで無事にたどりつくか。移植妊娠すれば出産は47歳となります。出産できたとしても、産後、第一子出産後の症状よりひどくなりもしかして、膠原病になってしまったり、円形脱毛症がひどくなり全身の毛が抜けてしまったらどうしようと考えるだけで不安になります。大変な思いをして採った貴重な胚を破棄するのももったいなく、そして、できればもう1人子供がいれば楽しいだろなぁ、と思うのですが。出産後のことは先生の専門ではないと思いますが先生の考えを教えていただけますか。移植までに何か注意することなどあれば教えていただきたいです。

 

A 妊娠・出産に伴い、身体に大きな変化が起こりますので、様々な症状が出現しても不思議ではありません。しかし、不思議なことに、これらの症状は毎回必ず見られる訳ではありません。それぞれの妊娠は独立したものですので、次回の妊娠への不安はあるかと思いますが、新たな気持ちでトライして欲しいと思います。

 

血圧、関節痛、白血球、CRP 、円形脱毛症、脂漏性皮膚炎は誰にでもいつでも起こり得ます。臍帯血は、採取する胎盤の状態にもよりますが、採取するまでの時間が長くなったりすればほとんど取れません。細かいことは心配せず、前向きになって欲しいと思います。

 

なお、このQ&Aは、約2ヶ月前の質問にお答えしております。