暫くして…

あいみ(もう日が暮れちゃった…)

あいみ(まさら…まだ家に帰ってないみたいだし…どこにいるの…?)

あいみ(まさら…まさら…どうしよう…どうしよう…)

あいみ(……ダメだ、焦りすぎて探し方もヤケになってる)

あいみ(一旦落ち着かないと、探せるものも探せなくなっちゃうよ…)

あいみ(…ちょっとだけ隼人くんのお見舞いに行こう)

その頃

公園

こころ「……私のバカ」

こころ(なんで昨日あんなこと言っちゃったんだろう…)

こころ(まさらのこと今でもすっごくすっごく大好きなのに…)

こころ(何故か落ち着けなくなっちゃって…それで…)

こころ(……あいみからは、まだまさらが家に帰ってないって聞いたけど…)

こころ(やっぱり行こう…それにおじさんとおばさんにも謝らなきゃ)

加賀見家前

こころ「まさら…帰ってるといいんだけど…」

ピンポーン

まさら母「まさらちゃんっ!?」ガチャッ

こころ「あ…」

まさら母「…こころちゃん」

こころ「…あの…昨日は本当にすみませんでした…挨拶も何もしないで帰ってしまって…」

まさら母「ううん、いいのよ…こころちゃん、変わりに叱ってくれたんでしょう?」

こころ「えっ?」

まさら母「大丈夫、何も言わなくてもわかってるわ」

こころ「…!」

まさら母「まさらちゃんはこころちゃんに嫌われたと勘違いしちゃったのかもしれないけど…」

まさら母「まさらちゃんもすぐわかってくれるわよ」

こころ「…はい」

まさら母「こころちゃん、これからもどうか…私たちの娘のことをよろしくお願いします」

こころ「え、ちょ…あ、頭をあげてください!」

まさら母「…こころちゃんには本当に感謝しているの」

まさら母「まさらちゃんの素の笑顔をまた見られるようになったのも、こころちゃんのおかげなの」

まさら母「感情がなくなっていた、あの子の感情を取り戻してくれて本当にありがとう」

こころ「…私だって、まさらにいろんなものを貰いました」

こころ「私の方こそ、まさらがいなかったら…今ごろとっくに魔女に…」

まさら母「魔女?」

こころ「あ、いえっ!その…とにかくおかしくなってたんだと思います」

こころ「だから私がまさらに助けてもらってるんです…」

まさら母「…ふふ、そうなのね」

こころ「きっとこれからも、まさらに…」

こころ「!?」

こころ(魔力…魔女!?近い…!)

こころ(もしかして、まさら…!?)

まさら母「こころちゃん?」

こころ「…ごめんなさい、まさらがいそうな場所に心当たりがあるんです!行ってきます!」ダッ

まさら母「あっ、こころちゃん!」

まさら母「……」

まさら母(すごく嫌な…胸騒ぎがする…)

まさら母(こころちゃん…まさらちゃん…)

公園

こころ「あった!結界…!」

こころ(こんなに近くにあったなんて、どうして気付かなかったんだろう…?)

こころ(ううん、今はそれよりも早く倒さなきゃ!)

結界

こころ「もしかしたら、まさらはここに…?」

まさら「…」

こころ「!?まさらっ!」

まさら「…」

こころ「よかった!まさら…無事だったんだね!?」

まさら「…」

こころ「まさら…?」

まさら「…あなた、誰?」

こころ「えっ…」

まさら「気安く話しかけないで、気が散るわ」

こころ「まさ…ら…?」

まさら「それにここは危険よ、死にたくなければ引き返すべき」

こころ「ま、まさら…?私だよ…」

まさら「だから誰?魔法少女のようだけど」

こころ「こころだよ…?粟根こころ…」

まさら「…あぁ、粟根さん…たしか同じ学年だったわね」

こころ「え…」

まさら「あなたも魔法少女ならわかるはずよ、この魔女はかなり手強い」

まさら「見たところ、あなたは隙だらけだし、このままじゃ瞬く間に魔女に殺されてしまう」

まさら「悪いことは言わないから、早急に立ち去るべきよ」

こころ「そんな…どうして…私がわからないの…?」

まさら「名前と顔くらいしかしらないわ」

こころ「私たち…恋人同士なんだよ…?」

まさら「恋人?」

こころ「恋人だよ…もう少しで付き合い初めて一年になるんだよ…?」

まさら「……知らないわ、私は誰も愛してなんかいない」

こころ「っ!?」

まさら「たしかにあなたは可愛いと思う、でも好きなるとは思えない」

こころ「そ…んな…」

まさら「早く立ち去りなさい、でないと死ぬわ」

こころ「まさら…」

こころ(私が…昨日あんなことを言ったから…?)

こころ(昔に戻ろうって…)

こころ(違う!違うの!そう言う意味なんかじゃない!!)

こころ(最近の私たちはお互いに甘えすぎてたから)

こころ(昔みたいにお互い注意しあえるようになりたかっただけなの!)

こころ(こんなのじゃない!違う!違うの…!)

こころ「まさら…ごめんなさい…昨日は私が全部悪かったの…」

まさら「……」

こころ「お願いだから元のまさらに戻って…」

まさら「……今でも私のこと好き?」

こころ「うん…好き…大好きだよ…」

まさら「私のこと愛してる?」

こころ「愛してるよ…」

まさら「それなら、私の言うこと…聞いてくれる?」

こころ「うん…」

まさら「じゃあ、ソウルジェムを出して」

こころ「え…?」

まさら「いいから、変身を解いて」

こころ「……」

まさら「私のこと、好きなんでしょう?」

こころ「うん…」

まさら「なら、できるわよね?」

こころ「…わかったよ」

こころ「…はい」

まさら「ありがとう…ふふ…ふふふふ」