※演芸に関する評価ですから、人それぞれ意見が違うことをご承知の上お読みください。

 

 

「林家正蔵」さんという落語家がいます。

この名前、由緒ある大名跡です。

この人、昔の「林家こぶ平」さんで、昭和の爆笑王「林家三平」さんの長男です。

 

タレントとしては好きだったんですが、正蔵襲名とともに本格的な落語家、それも、古典落語をやるようになり、ちょっとがっかりしました。

実際の高座も何度か見ています。

でも、いずれの回も、「この実力で主任をやっちゃだめでしょ」というレベルでして。とにかく「下手くそ」としか言いようがないです。

 

それでも、一生懸命精進している話が伝わってくるので、つい最近また正蔵さんが主任を務める高座を見に行きましたが・・・・・・・

 

たしかに、白髪も増えて、多少落ち着いてきて貫禄も出てきた感じはするものの・・・・・ やっぱり、下手。

目の前で実物を見てると、「この人、上下の切り方が下手だなあ」という気がします。つまり、「一人で何役もやる落語」において「演じ分けが下手」という致命的な欠陥です。

そして、私個人の嗜好ですが、「声質のいい人が好き」というのがあり、前回も「市馬さんの声の良さ」を書きましたが、正蔵さんはとにかく、声が汚い。言葉もかすれてはっきり聞き取れない。もう、これは生まれつきのものだからしょうがないと思います。

 

それから、この人、江戸っ子のはずなのに、なんか「粋」じゃないんですよねえ。上に、変なお姉さんがいたりして、普通の家庭じゃないのはわかりますが、なんか無粋です。食べ物番組で見ると、変な「箸の持ち方」をしてるし、お母さん、ちゃんとしつけをしてるのかな? と疑問に思います。

 

結論から言うと、「古典落語は無理」ということ。新作でがんばってくれれば、また見に行きたいと思います。

 

 

なお、弟の新「三平」、つまりは「いっ平」君なんですが、こちらも評判が悪く、笑点でも「やめさせろ」という声がいっぱい出てくるほど、面白くないのですが、彼の寄席での高座はけっこういいです。

主任ではないので、大ネタはやらず、楽屋ネタみたいな「漫談」をやるんですが、なにしろ、その血筋が面白く華やかですから、いろんな体験をしているわけで、そういう話だけでもけっこう客に受けます。「うまい」とは思いませんが、寄席の客を楽しませているのは確かであり、私個人では、三平君はけっこう好きです。古典などやらず今のまま漫談をやってくれればいいと思います。お堅い落語協会の芸人の公演はどうしても古典が多くなり退屈です。その中に、三平君の漫談みたいな落語が挟まると、寄席の番組の流れとして、いい、箸休めになるんですよ。

 

もともとの三平だって、落語は下手で、ただ「ギャグ」で受けてただけですから、兄弟ともに古典は無理だと思います。

特に兄貴は、これだけ練習しても下手なんだし、声質が汚いんだから、どうしようもないです。

 

面白い新作を作って披露してくれないですかねえ。