パピとママ映画のblog

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パーフェクト・センス★★★

2020年05月07日 | アクション映画ーハ行

                    

 

2011年のサンダンス映画祭に出品され、その斬新な映像世界が注目を集めた作品だ。主演は楽観主義者のシェフを演じるイギリスが誇るトップスター、ユアン・マクレガーと、心を閉ざした科学者役のエヴァ・グリーンが見せる繊細な演技は注目に値する。監督は、『猟人日記』でもユアンを主演に迎えたデヴィッド・マッケンジー。世界終焉をモチーフにした壮大な設定と、共感を呼ぶラヴ・ストーリーを融合させた構成が、絶妙なコントラストを醸している。

 

 

あらすじ:人類がかつて経験したことのないその異変は、何の前触れもなく世界中を揺るがした。“SOS”と名付けられた原因不明の感染病が爆発的に拡散、あらゆる人々の臭覚を奪い去ってしまう。その勢いは衰えることなく、感染者たちの味覚や聴覚をも失わせ、人類は存亡の危機に陥っていく……。シェフのマイケル(ユアン・マクレガー)と科学者スーザン(エヴァ・グリーン)は、そんな極限状況のさなかにめぐり合い、奇しくも謎の病に冒されたまさにその瞬間、恋に落ちた。ひとつ、またひとつと五感を喪失し、世界が終わりを迎えようとしたとき、ふたりはいったい何を求め、何を感じ取るのだろうか……。(作品資料より)

 

 

<感想>この物語は、人々が味覚や嗅覚など感覚を失う伝染病が広まる、非日常的な世界を描いている。恋は人を盲目にするというけど、主人公たちは恋に落ちていく過程で、本当に感覚を失っていくのだから。五感を失う奇病が広まり、終末に向かう世界で出会った男女のラブストーリーですね。

 

謎の感染症で目が見えなくなり、人々を極限の状態を描いている「ブラインドネス」がありましたね。あのように人々が手に手を取り合いながら、避難所を探して歩き、そこで起きる支配者的人間の存在が描かれていましたが、本作品の中ではそのような展開はありません。ただ主人公の2人を通して、男と女が愛を確しかめ合い、離れていても最後には2人が抱き合って、愛し合い幸せを感じるという終わり方です。
特定の感情が現れた後、五感を一つづつ失いながら、愛し合う2人の姿を詩的な映像で綴って行き、人生の根源的な意味を問いかけていきます。

 

 

主人公にはユアン・マクレガーが、シェフのマイケルを演じ、彼女の感染症学者の役には、エヴァ・グリーンが。ユアンの叔父さんで俳優のデニス・ローソンが、ユアンの勤めるレストランのボス役で出演しています。

 

 

そしてシェフのマイケルは、人々が嗅覚や味覚を失うと困るんですね。失業してしまう。それでも、味を辛くしたり甘くしたり、盛り付けを色とりどりに鮮やかにして、見た目の豪華さを見せつけます。
しかし、その内店には客も途絶えて閉店となり、避難した人達の食糧を作るマイケルたち。

 

絶望感と飢えに怯え、油を飲み口紅までむさぼる人々、嗅覚の次に味覚を失い、その次は憎悪を爆発させて、怒りだし暴れて、ついに聴覚と声まで出なくなる。そんな人々が町に溢れだし、そして町は荒廃していく。

 

 

主人公の二人は、過去の恋愛で深く傷ついた経験があり、恋に落ちることを恐れている。互いに恋に落ちていくのを認めようとしないのだが、・・・徐々に研ぎ澄まされいく触覚などで愛を確かめ合う2人。
味覚も嗅覚もなく、シェービングクリームや石鹸を食べる2人だが、そのうちに、憎悪の症状が出たマイケルが、スーザンに悪態をつき追いだし、2人は決別。だが、視覚を失う前、2人はある感情に満たされる。

 

 

この作品の大きなテーマの一つは、感覚の喪失ですが、どちらかというと、感覚を失うというよりも、感覚だけじゃなく、人間性、人生、楽観性、消極性、友情や愛情など、さまざまな要素を私たちに見なおさせる機会を与えていると思うんですね。
最後は画面が暗くなり、観客にゆだねるようなそんな感じがした。人類の終末と取るか、終末でも傍に愛する人がいて、抱き合いながら終末を迎える。見る観客によっては、受ける印象の違う映画になっているでしょう。(「パピ子と一緒にケ・セ・ラ・セ・ラ」より引用)

 

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