毎日積み重ねる『自分づくりの授業』
本日のテーマ

【死別の悲しみを乗り越える】

 

 

人生には悲しみはつきものです。

だから、わたしは悲しみに対する備えが必要だと思っています。

 

本日は、「悲しみに打ち勝つ強い心」というお話です……。

 

 

深い悲しみを乗り越えるためには、支えが必要ではないでしょうか。
たとえば、愛情や、心の支えとなる強い想いなどです。

 

本日は、悲しみを乗り越えた体験談をご紹介いたしましょう。

 

ロバート・シュラー著書『いかにして自分の夢を実現するか』の中で紹介されている、ある青年の体験談です。

 

ジョージタウン大学のフットボールのコーチをしていたルー・リットルは、ある日、大学総長に呼ばれて、メンバーの一人の学生についてたずねられた。
「ええ、もちろん、その生徒は知っています。もう四年間もメンバーですが、まだ一度も試合に出していません。良い選手なのですが、今一歩ガッツがたりないのです」
そうル―が答えると、総長は顔を曇らせた。
「たった今、彼のお父さんが亡くなったというニュースが届いた。彼にそう伝えてくれないか」
ルーは、その生徒をロッカールームに連れていき、父親の訃報を伝え、「一週間、練習を休んでいいよ」とつけ加えた。
ところが翌日、ルーは驚いた。例の生徒が、ロッカールームで試合のための身支度をしているではないか。
「君は、いったいどういうつもりなんだ?」
「今夜の試合は大事な試合です。ぜひプレーさせてください」
「しかし、君は先発メンバーには入っていないよ」
「ええ、わかっています。でも、今夜だけはどうしてもやらせてください。絶対に迷惑はかけません」
生徒は一歩も譲らない。とうとう、根負けしたコーチは、もしトスに勝てば、第一試合に出してやると約束した。
幸いジョージタウン大学はトスに勝ち、父を亡くした選手はボールを抱えて竜巻のようにコート内を走り回った。びっくりしたル―は第二試合にも彼を残したが、ブロック、パス、タックルと、彼の素晴らしい活躍で、ついにジョージタウン大学は勝利を収めた。

 


「おい、いったいどうしたというのだ?」
ロッカールームに汗だらけで引き揚げてきたヒーローに、ルーは思わず聞いた。
「コーチ、僕の父のことはよくご存じではありませんでしたね。父は目が見えませんでした。だから今日はじめて、父は天国から僕のプレーを見ることができたのです」。

 

 

父を亡くした悲しみで、無気力になってもおかしくありません。
しかし、彼の父親に見てもらいたいという一心が、悲しみを乗り越え、これほどまでに前向きに捉えさせたのですね。

 

 

本日は、「死別の悲しみを乗り越える体験談」というお話です。