喜田洋服店 | 甲南大學應援團OB会のブログ「雲外蒼天」

甲南大學應援團OB会のブログ「雲外蒼天」

甲南大学応援団再建物語
~黄霧四塞すと雖も、上に蒼天なきに非ず~

我が團では一時期、播州方面から通学する者が多数を占める時期がございました。播州地区の最大都市は姫路であります。昨今では姫路城が世界遺産に登録され観光地として知名度は高まっている様に感じます。
話は脱線しますが、標準語圏の方が姫路を発音すると「ひ」にアクセントを置いた様な感じに聞こえますが、播州弁ネイティヴは決してそんな発音は致しません。どの文字にもアクセントを置かない棒読みの様な感じでの発音が正確であります。
 
伝統的に姫路は兵庫県の東端にある尼崎市と兵庫県ナンバー2争いを繰り広げた大都市でありますが、姫路、尼崎に共通するのは「ガラが悪い」という事であります。極道とヤンキーの数が異常に多いのであります。今でこそそういう感じを受ける事はないと思いますが、昭和の時代はまさにビーバップハイスクールの世界がそのままあった感じでございました。

後は二人称、英語で言うところの「you」を「おどれ」と発音したりする荒々しい播州弁がそのデンジャラスな雰囲気を更に増幅させておりました。関西弁も地域によってさらに細分化できる訳ですが、有名な河内弁より播州弁の方がより荒っぽく聞こえる人が多い様であります。ネット等を見ますと「日本一押しが強い方言」と評されたりもしている様であります。
漫画「嗚呼!花の応援団」の準主人公とも言うべき一回生の富山團員は姫路の出身という設定でありまして、作中、富山團員が姫路に帰省し地元の黒姫大学應援團と対決するお話が掲載されておりましたが、姫路に斯様な不調法な應援團があったとは聞いた事がありません。姫路ならばああいう應援團があっても不思議ではない、という創作なのでありましょう。
 
そんな危険地帯より目立つ学ランを着て通学する團員の労苦は今となっては想像するしかありません。そんな彼らが見つけてきたのが、姫路の大手前公園南にあった喜田洋服店であります。姫路では高校生でも学ランを誂える事が珍しくなかった為、料金設定はかなりリーズナブルでありまして、下級生には有難いお店でありました。同店で5万円以上する学ランを誂えたとなれば、相当な高級品でありました。ただ裏地は持ち込みだったり、刺繍は別の店で頼む事もありましたのでプラスアルファの費用もかかります。
平成の初頭にはもう廃業されたと聞いておりますので、残念な話であります。
 
甲南大學應援團OB会
八代目甲雄会広報委員会