ゲームの制限は、子どもをよりゲームにハマらせる | 家庭を子どものBASEに 佐伯和也公式ブログ

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子どもが思う存分遊ぶ(ゲーム含む)ことで、知的好奇心が育ち、それが勉強にも繋がっていく

これね。

 

ゲームやらん人は、あんまり知らんかもしれん。

 

けど、遊びがなんで楽しいかと言えば、その理由の1つは、

 

「ルールや、制限があるから」

 

なんですよ。

 

 

 

例えば、「だるまさんが転んだ」って遊び、あるよね。

 

あれが楽しいのは、

 

「鬼(?)がこっち向いている間は、動いてはいけない」

 

とか、ルールがあるから楽しいんよね。

 

 

 

もし、

 

「鬼がこっち向いてても動いてもいい」

 

みたいに、ルールを取っ払っていくと、もはや遊びとしては成立しなくなります。

 

「おもんない」

 

と。

 

 

 

遊びは、ルールがあるからおもしろい。

 

遊びは、制限があるからおもしろい。

 

 

 

今日から始めた対戦ゲームで、相手がもうそのゲームを5年もやっている猛者だとします。

 

初心者VS猛者

 

これをノーハンデでやると、初心者は相手が強すぎておもしろくないし、猛者は相手が弱すぎておもしろくない。

 

 

 

だから、猛者にハンデをつけます。

 

ハンデをつけて、初心者とほぼ対等に戦えるようにする。

 

そうするとおもしろい。

 

 

 

ゲームに飽きた子が次にやる遊びは、

 

「制限プレイ」

 

です。

 

 

 

「○○の武器を使用禁止」

 

「○○秒以内にクリアしないといけない」

 

「低レベルでクリアしないといけない」

 

などなど。

 

 

 

こうして、新たなルールを設けたり、制限をかけたりすることで、遊びの質はグッと上がる。

 

つまり、おもしろくなるわけだ。

 

 

 

 

 

これと同じ理屈で、親がもし、

 

「ゲームは1時間までね」

 

っていう制限を設けたとするでしょ。

 

 

 

そしたら、子どもは、もはや1日あたり、1時間しかゲームで遊べないことになる。

 

ルールを破れば、親にゲームが取り上げられてしまう、というペナルティまである。

 

 

 

だとすれば、子どもが考えることは、

 

「いかにして、この1時間の間に、ゲームを堪能するか」

 

です。

 

 

 

1時間の間にゲームを堪能するためには、戦略が必要です。

 

何気なくやっていると、1時間なんてあっという間です。

 

 

 

1時間をもっと濃密に過ごすためには、ゲーム以外の時間にも

 

「ゲーム時間をどう遊ぶか?」

 

っていうことを考えて、戦略を立てないといけない。

 

行き当たりばったりでは、十分に遊べないんです。

 

 

 

親は、子どもの遊びは制限できるけれど、子どもの精神までは制限できません。

 

だから、ゲーム以外の時間に、一生懸命、子どもは考える。

 

 

 

1時間で何ができるのか。

 

準備ができて、親からのGOサインが出たら、ゲーム開始!!

 

 

 

許された時間は1時間。

 

そこから少しでも時間が過ぎてしまうと、

 

「ゲームが取り上げられて、しばらくできない」

 

というペナルティが課せられる。

 

 

 

それは困る。

 

だから、時間を気にしながら、かつ、ゲームを一生懸命やる。

 

1分も無駄にしたくない。

 

 

 

一緒に遊ぶ友達がいる場合は、友達のスケジュールを押さえる。

 

友達の家は、自由にゲームができる家だとしても、こっちはそうじゃないから。

 

 

 

もし、友達が遅れて家にやってこようもんなら、怒り心頭です。

 

なんたって、こっちは1時間しかゲームができないんだから!!!!

 

 

 

何のゲームをやるのかも決めてある。

 

誰と一緒にやるのかも決めてある。

 

そのゲームでどう遊ぶのかも決めてある。

 

 

 

そういう時に限って、友達が想定してた遊びとは違うものを提案してくる。

 

それもまたムカつく。

 

こっちは1時間しかゲームができないから、前々から予定を立てていたのに!

 

 

 

1時間しかないから、無駄なことはできない。

 

一人でゲームをやる時も、友達とやる時も、イライラしながら、ゲームをする。

 

 

 

一方で、スリルもある。

 

もし、時間が過ぎたら、親にゲームを取り上げられてしまう、というスリル。

 

 

 

ゲームをしているのを親に隠すのも、少しずつ巧妙化してくる。

 

嘘をつく技術も身に付けてくる。

 

 

 

自分はゲームをしたい。

 

そのためには、正直である必要なんてない。

 

 

 

万が一、ゲームを取り上げられたとしても、考えられる隠し場所は、あそこか、あそこに違いない。

 

親の行動パターンも、あらかじめリサーチ済み。

 

 

 

親の盲点はここだから、こうすれば、親を騙せる。

 

「ゲームは1時間まで」

 

なんて言いながら、親に用事がある時を狙えば、帰ってくるまではできる。

 

 

 

そしたら、実質、1時間以上できる!

 

 

 

 

 

・・・とかとか。

 

実際は、子どもは何を考えているのかは知りませんが、間違いなく言えるのは、

 

「ゲームは、制限をかけた方がハマる」(=遊びの原理ね)

 

「ゲームに制限をかけると、ゲーム以外の時間も、ゲームのことで頭がいっぱいになる」

 

ってこと。

 

 

 

それくらいゲームに命をかける子もいます。

 

僕も、ゲームをやる時は本気でした。

 

制限はなかったけどね。

 

 

 

子どもは生半可な気持ちでゲームをしているんじゃないです。

 

割と本気。

 

 

 

だから、親がゲームに制限をかければ、その本気さを加熱させる効果が期待できます。

 

つまり、余計にハマる。

 

 

 

そして、親がゲームに制限をかけ過ぎると、子どもはもはやゲーム以外はやらなくなっていく。

 

ゲームにそれだけのエネルギーを注ぐようになるから、ゲームのために生きるようになるから、それ以外のことをやる元気が無くなる。

 

 

 

それだけ、制限の力は大きいんです。