2019年06月23日

本当に強き者は

無謀な事をしないのだろう。


中でも、特に心に残ったのが、東郷平八郎元帥のエピソード。

日露戦争で、連合艦隊司令長官として、バルチック艦隊に壊滅的打撃を与え、奇跡とも言える勝利をもたらした人物だが(ロシア革命が起きなければ、当然、大国ロシアが巻き返した可能性は有るというコトを認識してナイ政治家によって、太平洋戦争をしようという幻想を抱かせたとも言えなくもナイけれど)、連合艦隊司令長官になる時に、「運がいい」というコトを言われたと伝えられているが、実際は警戒する能力が高かった人物だったというエピソードが書かれている。

前方に荷馬がいるのを見て、道の反対側に避けたら、同輩がそれを見て、「いやしくも武人が馬を見て怖れて道を避けるとは」と難詰しても、「万が一馬が狂奔して怪我でもして、本務に障りがあれば、それこそ武人の本務にもとる」と答えたのだと。

上記の本では、「不運を事前に察知する能力の高い男」として、捉えられているけれども、それよりも「確実な道を選ぶ」という方が正しいのではないかと。

そもそも、日本海海戦に於いても、狭い航路をバルチック艦隊が選択するという予想を立て、なるべくそうする様に追い込み、結果としてバルチック艦隊が横に並ばずに縦列で通過すると読んで、「距離八千で迎撃する」という作戦を成功せしめたのには、それだけの周到な準備があったからであろう。

なるべく、不確実な道を選ばずに、確実な道を選択するコトこそが、勝利への道である。

「勇敢な人というものは、怖れない者ではなく 恐怖を克服する者」という言葉があるけれども、恐怖を怖れない為に、確実に克服する為の方法を考える者と、理解するべきであろう。

空威張りをするというのは、真の勇者ではナイと考えるのだが、日本には根拠のない自信にもとづく偉そうな態度をする政治家が多い事を憂いたくなる今日、東郷平八郎元帥が現代に生きていたら、今の国防をどう思っているだろうか。

「孫子」でも、戦いに巧みな者は、まず敵が攻撃しても勝てないようにしておいてから、敵が弱点を露呈し、自軍が攻撃すれば勝てるようになるのを待ち受けるべきであり、「戦って勝つのは下の下、戦かわずして勝つのが上の上」という言葉があるけれども、そうした意識があるとも思えない。

日本人が劣化しているのかもしれないが‥‥
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Posted by seitaisikoyuri at 22:47│Comments(2)
この記事へのコメント
こんばんは

日露戦争当時の指導者たちの功績は現在の政治家、経営者が学ばねばならない事柄が多いですね
古代史ファンではありますが、近くて資料も多い明治期の歴史と人物像も強く惹かれます
この時代の資料、読みたい本がまだまだ沢山あります

凸凸!
Posted by k-hirata at 2019年06月23日 23:55
k-hirataさん、日本人は劣化しているのかもしれませんね。

「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と外国の人が褒めたのは、慢心させる為なのだと警告した人が居ましたが、バブル辺りから駄目になり始めたのかもしれません。
Posted by koyuri at 2019年06月24日 14:10
 
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