「ん~、これ、これ。この味だよぅ、私が求めていたものは」

驚き叫びと感動キラキラに打ちひしがれる私。

深紅といっていいほど、深い赤がピカピカ光る夏の贈り物。

とある農場から採れたてリンゴミニトマトをいただいたのだ。

お隣からいただいたアイコに触発されて、ベランダでトマトを育てることチョキ2年。

水やりに振り回されて、食味を冷静に判断できていなかった。

「おいし~音譜。りんちゃん、やっぱ、お家で育てたトマトは違うね~」とか言っていたけど、

こんな味ではなかった。ま、見た目から、大きく違ってる。

あ~あ。

やっぱテキトーに植えただけじゃ、ダメなんだ。

私って、ほんとに、何やらしても、ツメが甘すぎ、ダメだよな~。

めずらしく、冷静に自分をみつめていると、悲しくなってきたガックリ

「んん、ぐぐぐ、ふーっDASH!

え?なに、なに?目

見ると、寝転んだ愛猫が、これでもか、ってくらい伸びをしたり縮んだりして、声を発している。顔も、思い切り張って、目なんか吊り上がっている。

ぷぷぷニコ。くっ、くっ、くにやり。きゃはははゲラゲラ

「も~、りんちゃん、なんて顔してんの。おもしろすぎるぅ~」

笑いながら、愛猫に近づいた。

すると愛猫はすぐさまキリッとした表情になり、すく、っと

正常のスタンディング・スタイルに戻った。

そして肩のあたりの毛づくろいを始める。

ぴた。

止まったかと思うと、私をみつめる。

ネコ~なに落ち込んだふりしてんの?ダメじゃない女の子にゃんなんて、女の子にゃんじゃないじゃん。

「え、なによ~おーっ!。ひどくな~い?」

ほんわかドラマのエンディングのようにじゃれあう私たちであった。

 

 

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