福岡・久留米のぶっちゃけ社労士(主に会社側の視点で、労使間の建設的な信頼関係構築を目指し、企業の継続・繁栄のお手伝いをする、ぶっちゃけた相談ができる社労士)こと採用と労務管理の町医者 吉野正人です。
 

10月24日 ビハイア パワハラ自殺関連からパワハラ再発防止・初期対応を考える。

 

10月24日水曜日。先日記事で書いたビハイア社のパワハラ自殺訴訟関連ですが、亡くなられた元従業員の方が書かれた記事で気になったので、私の考えを書きたいと思います。

 

※ビハイア ホームページ内ブログより引用

2015.12.23

新卒募集 清水有高社長について行けない!辞めよう!と思った瞬間は?女性執行役員大山が語るそれでも続けているのは?なんで?


『清水有高社長について行けない!辞めよう!と思った瞬間は?それでも続けているのは?なんで?』という大変正直なコンテンツを求職者向けに載せたいと思います。今回は新卒で入り、執行役員までのしあがった大山執行役員に語ってもらいます。

仕事なめたらあかんぜよ
清水有高社長について行けない!辞めよう!と思った瞬間は?
6年ほど前、大学生でインターンをしていたときのことです。大学の友人と卒業旅行でディズニーランドのホテルに泊まりがけで行こう!という話をしていて4人分で既に予約も済ませ、私は仕事が終わった後現地でチェックインをする予定でした。ですが、当日の夕方になって「企業向けブログの文面に気合いが入っていない。全部書き直せ」という指示。夕方から全部書き直したとしたらチェックイン時間には間に合いません。「一生に一度の卒業旅行で、今からキャンセルもできません。戻ったら終わらせますので・・・」と社長に交渉してみるも答えは「NO。甘えるな。」

その後何度も行きました
仕方が無いので時間までに完璧に終わらそうと取り組みましたが「やりたくない感・やっつけ感が文面に出ている。仕事を舐めるな!」と一喝され、具体的にどこが悪いのかもわからないままチェックイン時間を過ぎても作業を続行し、結局友達には途中で「当日になって申し訳ないけどどうしても抜け出せない仕事の用事が入って、行けなくなった。キャンセル代を払うので、行けなくなった分みんなで楽しんでくれ。」と連絡。その後泣きながら(「泣いたら許してもらえると思うな」と言われながらも)徹夜でブログを仕上げるも最終的にOKは出ず、大学の友達とも疎遠に成り、未だに連絡先を知りません。

このままでは孤独死・・・
また、趣味のコスプレの予定を日曜日に入れていましたが当日仕事を抜けられず約束を反故にしたことも何度もありました。この会社に居る限りは仕事最優先で、友達がどんどんいなくなり、孤独死するのかもしれないと思ったこともありましたし、こんなに仕事をしてもそれが売上に必ずしもつながる訳ではなかったので資金繰りはカツカツで、常に現金がなく1日を100円ローソンで買ってきたできるだけ大きいパンでしのいだり、suicaでご飯が食べれるお店にやたら詳しくなったり、こんな生活になっているのも全ては自分に売上を上げる能力が無くみんなに迷惑をかけているからだと自分を責めまくって自信をなくし、更に売上が上がらないバッドスパイラルに陥ったりしました。

それでも続けているのは?
それでも、今続けられているのは全体的な会社の資金繰りや戦略が少しずつ理解できてきて、会社にお金を残し運用するためにはどういう動きを取ったら良いのか?という視点を得られるようになれたから。副産物的ではありますが、全体の視点を得られるようになったのに従って勝手に自分の財布もあったまってきました。そうなってみて初めてわかったことですが、自分の生活の事ばかり考えていた過去の自分はやっぱり甘かった!(笑)

あそこで活を入れられていたから冷静に過去の自分のダメさ加減にも向き合えるようになったし、厳しい環境の中でやってきたことがのちのち自分の成長にとってプラスになっていたことが分かったことが大きいです。それから、個人では体験しなかった・・・というより体験しようとも思わなかったことを知れる場はビ・ハイアしかありませんでした。その時はきびしい!つらい!と思うようなことでも、1つ視点を上げて考えて見たら至極まっとうなことを言っていて、前述したディズニーランドの件だって、行くか行かないかの二元論ではなく両方を満たす案を考えることが出来たら、それは人として一段階上の成長の機会だったのかもしれません。(ちなみに、連絡先は知りませんがFBで友達を検索してのちのち仲直りし、年に数回不定期に集まるまでに関係回復しました)

負けたくないことに理由っている?不利とか不向きとか関係ない!
もう死ぬしかない!!つらい!!と思うことは人間関係お金関係ともに何度もあったけど、結果として死なずに済んでるし、そう思っていたときよりもどんどん状況も良くなってきています。いつでもギリギリの瀕死状態まで自分を追い込んでいく先に進化があると知ってしまったから、追い込んで次の自分になれるということを楽しんでしまうドMになったのかもしれませんが、今はこのヒリヒリ成長していく感じがたまらなく楽しいです。

あらゆる出来事に対処出来てこその成長した社会人
さて、しんどいだけではなくいい思いもしました。

・なんだかんだ年収が高い。私の同世代の2倍以上出てる。
・社長にバーバリーの服をたくさんおごりで買ってもらった
・年収が上がったから高級レストランやホテル飯が通常装備に!
・社長にフェラガモのパンプスを買ってもらった
・研修旅行中に高級エステを受けさせてもらった
・入社してすぐに専属カラーコーディネーターに似合う色を診断してもらえた
・テレビや映画で活躍しているプロのヘアメイクさんに来てもらって事務所から一歩も出ずにヘアカットしてもらった
・いつでも最新ゲーム、最新機器に触れることが出来る
・最新の超高性能一眼レフでコスプレ写真を撮れる
・社長にVUITTONのバッグを買ってもらった
・社長にGUCCIのバッグを買ってもらった

・社長にバーバリーのバッグを買ってもらった
・社長にこんなに買ってもらってたら奥さんや恋人、愛人なのかと間違えられる。それくらい買ってもらってるけど、社長は他のスタッフにもおごっている。

などです。しんどいことを先に書きました。ここまで読んでくれてありがとう!仲間募集中!

 

※引用終わり。

 

この引用文章は、未だビハイア社のホームページで見る事が出来ます。自社の求人募集に関する記事なんですが、個人的には、「問題があるのでは?」と感じます。ただ、良い面・悪い面赤裸々に描いて共感を呼ぶ手法はマーケティング的に上手だと思います。

 

他の記事も読むと、社長以外の従業員が記事を書いても、「結論」が同じパターンのような気がします。ある意味、社長が検閲・確認・OKした記事しか掲載されない為、内容が似てしまうのでは?と私は推測します。

 

引用した記事ですが、自殺された方の「予兆」とも思えて、個人的には「悲しさ」「残酷さ」を感じました。記事に書かれているブランド品は、後々「貸付」として返金請求されている点も、個人的には酷いと思いました。

 

なお記事の文章を読んでいると、「パワハラでは?」と思われる内容が含まれていると思います。この記事自体、社長さんが確認・OK済で、現在も掲載されている点を考えると、「問題ない」「パワハラではない」と認識しているのでは?と推測します。

 

パワハラに関しては、「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」と厚生労働省で定義づけられています。

 

実際は、「被害者側の主観」パワハラと認識されることから始まります。その為、加害者側パワハラをしているという認識が無い場合が、今回を含め多いのが現状だと思います。

なお厚生労働省により、「パワハラの6類型」と言うのが、下記の通り定義づけられています。
身体的な攻撃(暴行・傷害)
精神的な攻撃(脅迫・暴言等)
人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視)
過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害)
過小な要求(業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと)
個の侵害私的なことに過度に立ち入ること)

 

今回のビハイア社のパワハラ訴訟の場合、②精神的な攻撃(脅迫・暴言等)・④過大な要求・⑥個の侵害等が当てはまるのでは?と私は思います。

 

今回のビハイア社のパワハラ訴訟も含め、先月の福岡県宗像の運送会社大島産業におけるパワハラ訴訟パワハラ関係労働トラブルが、非常に増えています。

 

私自身、去年から毎年5月頃にパワハラ対策セミナー経営者・管理職・人事担当者向けに行っています。まずは経営者・管理職自らが、「パワハラとは何か?」「パワハラを防ぐためにはどうすべきか?」「起こった場合は、どのように対応すべきか?」を学ぶ必要があると私は思います。

 

あと今後は、私を含む社会保険労務士パワハラ対策を行っている専門家に、早めに是非相談して頂きたいと思います。そしてパワハラが発生した場合でも、早期対応と再発防止対応をして頂きたいと思います。厚生労働省が作成した下記リンクは非常に役立つと思います。

 

厚生労働省 あかるい職場応援団サイト

 

経営者・管理職が部下へ指導・注意するときは、下記の点を心がけて頂ければ、パワハラの発生が少しでも減ると思います。

 

・命令口調ではなく、依頼口調を使う。
性格を注意するのではなく、行動を改善するように注意する。
性格・人格を叱る事はしていけない。→注意をしたうえで、行動の改め方の道筋を示す。
「勇気くじき」をしない。(心理学者・アルフレッド・アドラー・アドラー心理学)
「勇気くじき」とは?:相手から困難を克服する力を奪うこと。 

 ①高すぎるハードルの設定

 ②達成できない部分の指摘

 ③人格否定

例:「こんな簡単な仕事も出来ないの?お前はノロマで会社に不要だ。明日までに全部やれ。」

 

以上のような対処が有効だと思います。今後パワハラ事例が減る事と今回のような悲劇が起こらないよう、私自身も改めて行動していきたいと思います。最後に、亡くなられた元従業員の方の、ご冥福をお祈りいたします。

 

※写真は先日の夕食で、タラのムニエル・ニラ卵・豆腐コロッケ等です。

 

以上、福岡・久留米ぶっちゃけ社労士(主に会社側の視点で、労使間の建設的な信頼関係構築を目指し、企業の継続・繁栄のお手伝いをする、ぶっちゃけた相談ができる社労士)こと採用・労務管理・労働トラブル対応の町医者 吉野でした。

 

※お問い合わせや相談したい時は、いつでも下記へ連絡願います。 福岡 久留米 採用と労務管理、労働トラブル対応の町医者 社会保険労務士 吉野正人 移動オフィス 090-2852-9529 (すぐつながります。)

メールアドレス naitya2000@gmail.com

 

ただし労働者側の相談も可能ですが、当事務所は会社側の相談が得意ですので、ご了承願います。 なお労働者の相談は、下記リンクの社会保険労務士をオススメします。

社会保険労務士おくむらおふぃす

 

 

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