椿峰のまち

所沢・椿峰ニュータウンでのまちから見えてくるものをお伝えするブログです。

2018年12月 青森 その11

2019-01-14 00:15:38 | 日本を元気に

なぜ、大高興先生は貴重なコレクションを寄贈することにしたのでしょうか。

読売新聞 昭和52年8月16日の記事が「風韻堂雑録」に掲載されています。

「きずな」――恩師との”約束”果たす  より

◇紅白マンジュウ失敬

 忍び込んだ真っ暗な職員室で、目当てのマンジュウをがぶりと一口やった時だった。パッと電気がついて、入り口に担任の塩谷雄馬先生が立っていた。

 昭和十四年。西郡岩崎村黒崎小学校のあすは卒業式という前の晩だった。

 当時、私は複々式授業が行われていたこのへき地校の六年生。級長だったから、卒業生二十三人を代表して答辞を読むことになっていた。だが、卒業式のために準備されたアンコ入りの紅白マンジュウが食べたくてしょうがない。一日がまんすればいいのに、それができず、つい職員室にしのびこんだ。

 雄馬先生は名前の通り馬づら。やせて小柄な先生と”犯行現場”で向い合いながら「親にいわれたらどうしよう」「同級生に知られたら答辞が読めなくなるのでは」。そんな不安が胸をふさぎ、多分、私の顔は血の気を失っていたことだろう。

◇罪に”二人だけ”の密約

 その時、塩谷先生は「そんなに食べたければ食べろ。オレも一つ食う。その代わり大人になったらだれにもできないことを一つせい。そうすれば罪を許してやる」とおっしゃった。自分もまんじゅうを食べ、以来、この事は二人だけの秘密になった。

 先生は終戦後間もなく亡くなったが、約束を覚えているのが自分一人になってしまうと、どうにも落ち着かない。折にふれ「だれにもできないことを一つせい」という先生の言葉が頭に浮かんでくる。

◇貴重な文化財県に寄付

 四十七年、意を決して私は一万一千二百一点の文化財を県立郷土館に寄贈することにした。四十年かかって集めた命の次に大切にしていたコレクションの数々。ロックフェラー財団からは一億円で譲渡してほしい、国内の博物館からは五千万円で譲ってくれとの申し込みがあったほどの貴重な文化財だ。

 妻も「売れば鉄筋の病院を建てられる」と反対したが、私は歯をくいしばってコレクションを全部手放した。寂しくて、郷土館開館の日は泣けてしょうがなかった。

 そのあと、小学校時代の通信簿を持って日本海を見おろす丘にある岩崎村の先生の墓に報告に行った。「約束を果たしましたよ。これならだれにもできないことでしょう」。卒業からちょうど三十三年目のことだった。

◇塩谷先生の偉大さを知る

 また、この事件で先生は人を許すということの大切さを教えてくれた。もし、あの時、許してもらえず逆にうんとしかられていたら、私はどうなっていたかわからない。その意味で先生は真の教育者であり、忘れ難い恩師だ。

 しかし、男はつらいもの。正直言ってマンジュウ一個がえらく高いものについたと思うこともある。

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新成人の皆様へ

この塩谷雄馬先生からの「だれにもできないことを一つせい」という言葉を伝えたいと思います。



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8 コメント

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予言書 (大日月大神御霊)
2019-01-14 01:06:51

いつもお世話になっておりますm(__)m

予言書を発見しました、

見ていただけると光栄です。

日月地神示、大日月地神示、続 大日月地神示

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Unknown (藤村眞樹子)
2019-01-14 10:18:25
大日月大神御霊さま

はじめまして。
なにぶん世間知らずの婆さんなものですからご紹介いただいたあれこれの価値もしくはひょっとしたら害毒がよくわかりません。
心理操作ということでありませんように、というか心理操作対策のワクチンみたいな役割がありますでしょうか?


Unknown (藤村眞樹子)
2019-01-15 15:00:20
大高先生は催眠術の免許を持ち、遠隔催眠術が得意であったとか。
なるほど亡くなってからも私が記事を書くとか人を動かすことができたのですね。

いっぽうその遠隔催眠術が進化して
戦争などで使われないものかどうか
あるいは宗教などの心理操作に悪用されないものかどうか心配になってきました。
催眠術を解く方法の研究が大事かもしれませんね。
Unknown (藤村眞樹子)
2019-01-17 11:02:23
誰にでもできないこと
がもしかしたら
戦時中には
特攻といったことになっていった
のかもしれません。
これは日本のもっとも反省するべき点だと思います。
特攻で若い命を散らした人たちの平和への願いを日本はしっかり生かしていく必要があると思います。
Unknown (藤村眞樹子)
2019-06-03 10:48:40
高齢者の独断と偏見を書き連ねておりまして誠に申し訳なく思っております。
これは戦争を食い止めたいという妄想から発しておりますので何卒ご海容のほどをお願い申し上げます。

さて、日本の神がかり的な特攻に対して、アメリカはどうであったのか・・・・・
戦争を細かく見ていくとき、どちらかというと裏表の使い分けを感じざるを得ません。
故障続きの船や戦闘機に懲罰的、あるいは差別的に兵士を乗せて死へと向かわせる
そういうことはなかったでしょうか。
あるいはリーダーの主導権争いみたいなもので、適任な人物が選ばれるとは限らない、むしろ問題のある人物が選ばれて、それまでの行き詰まりを破壊的に解決、そういうふうにも見えたりします。

その先に大量破壊兵器の使用が偏見や差別によってなされるとするなら、日本は唯一抗議できる権利を持つのではないか
と思われてなりません。
Unknown (藤村眞樹子)
2019-06-03 10:53:59
アメリカの立場になりますと
日本からの抗議は受け付けるほうがいいのではないでしょうか。
潜在的には、アメリカは日本が復讐心を持たないか、あるいは他国が日本を煽ることにならないかなど、心配があるような気がします。同盟国だといっても本心はわかりにくいところがありそうです。


したがって
Unknown (藤村眞樹子)
2019-06-03 10:58:35
したがって、真の同盟関係になるためには、日本の願いに耳を傾けて、東アジアの平和の実現に手を貸す、ぐらいなことをすることが必要ではないでしょうか。

マッカーサーの将来を見通す目は、今に注がれているのかもしれません。
Unknown (藤村眞樹子)
2020-03-24 13:07:15
この記事にある大高先生が、梅干しの効用について熱く語っておられます。
現代の首都圏でも無医村のごとく感じられる状況になる・・・・
梅干しとか熱いお茶とか試してみてもよさそうです。

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