今年もあと数日となりました。この一年、当ブログをご覧いただきましてありがとうございました。戦前文化の一端を知りたいと思い立ってから銀器の方は早や15年、貴金属品の方は約8年になりました。他にも、オールド大倉など国内向け磁器製品や、集めてはいないのですが大正〜昭和初期に少女達の間で流行した木版絵封筒なども大好きです。ブローチ一つが100万円くらいは当たり前の西洋アンティークとは異なり、戦前日本のアンティークは余程の最高級品でないかぎりそれほど手が届かないものではありませんが、反面、日本国内において自国の文化にそれほど価値を認めていないというのはどうも残念な気もします。今はもう殆どが中国に流出してしまったと思われる銀瓶も、私が入手した頃は立派なものでも数万円程度でしたのに、中国人がその価値を見つけて買いまくったので、一時はとんでもない高額になっていました。しかしながら今は中国人はすっかり手を引いて、日本には売れないシンプルな銀瓶ばかりが残ってしまったようです。何だか明治時代の根付けの流出に似ていると思いました。

 

今年のイチオシは、何と言っても長年の疑問だった小槌印とアルファベットの刻印の意味がわかったことです。資料があることはわかっていたのですが、「検索の神様」(笑)が舞い降りてきて謎が解けた時には本当に嬉しかったです。

 

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しかも!読者さまからのお知らせで、資料にあった日付印のabcに続いて「d」の刻印まであることがわかりました。貴重なお写真を提供してくださいましたcoal27さまには心より感謝申し上げます。

 

その時の記事はこちらです→

 

こうして当時の生活文化が徐々に明らかになっていくことは、ブログを立ち上げている私にとりまして大変嬉しいことです。

 

続いて、今年ゲットしたコレクションについてですが、何故か帯留めにいいものが見つかりました。ちょっと無理して出費したのもありますが(笑)、コレクターが多かった以前よりは価格は下がっているように思います。下の写真は服部時計店製二点(左側上下)と三越製(右側)一点です。どれも彫金が実に素晴らしく、こういうものを見ると、当時の日本は高度な文化を持つ世界の大国の一つだったのだなと改めて思います。