納豆と口臭

オーラルケア

ぷ~ん、どこからか納豆のようなニオイ!?
口臭? それとも、頭皮・・・足・・・ワキ・・・

いつも歯磨きはしているし、気になる時には「うがい」だってしています。
髪の毛をとかしたブラシも、靴下も、腋の下にあててみた手を嗅いでみても、とくに納豆っぽいニオイはしないし。
たしかにちょっとはクサいけど、だからといって納豆のニオイではないんだけど。

そういえば、健康にいいからといわれて、一日おきくらいのペースで、納豆を食べているけど、そのせい?

納豆

納豆は食べ過ぎたとしても、その匂いが口臭や体臭になることはありません。

お肉やビール、それにニンニクやニラなどは、消化吸収される時にアンモニアなどの臭素が発生して、それが血中に取り込まれて体内を巡り、肺や皮膚から排出されることがあります。

納豆の消化吸収では、納豆の元である大豆に含まれる大豆イソフラボンの働きにより、むしろ体臭を予防する効果が期待できるほどです。
大豆イソフラボンというのはポリフェノールの一種で、女性ホルモンであるエストロゲンと似た働きをするといわれています。エストロゲンには汗腺や皮脂腺を抑制するという作用があり、体臭を発生する原因の一つである汗や皮脂の分泌を抑えることになります。

その上、納豆には殺菌作用も認められていますし、また、納豆菌は胃酸に強く生きたまま腸まで届いて腸内環境を正常化するプロバイオティクスと呼ばれる善玉菌で、その結果として臭素などが血中への溶け出すことを防ぐ役割も担っています。

したがって、納豆は体臭の発生を防いでくれるものであり、納豆を食べないことの方が体臭を発生させてしまう可能性が高いともいえます。
納豆は、一日おきくらいというよりも毎日でも食べるべき食材というべきでしょう。

納豆のニオイ

納豆は、納豆菌により大豆を発酵させて作る発酵食品ですので、どうしても発酵にあたりニオイが発生してしまいます。
納豆菌による発酵の過程でさまざまな臭気が生まれ、その中にはアンモニアやオヤジ臭の原因物質といわれるジアセチルが含まれます。納豆は日が経つにつれ発酵が進み、それに伴って独特にニオイが増していくことになります。

納豆菌は胃酸にも溶けないほど強くてなかなか死滅しない菌ですので、納豆を食べた後の口内、そして口の周りや指先、あるいは洋服などにわずかであっても納豆菌が付着したままでいるとニオイを発し続けてしまいます。

納豆を食べたからといって納豆の体臭は発生しませんが、納豆の食べカスが着ている服を含めカラダのどこかに残っていると、まるで体臭のように感じてしまうこともあるかもしれません。

納豆臭?
口内ケアをしっかりしておかないと、納豆の食べカスが残ってしまい、そのせいで納豆口臭が発生してしまうことがあるかもしれませんが、それ以外ではカラダから納豆のニオイが漂うということはありません。

でも、カラダのどこからか納豆のようなニオイがしているようで、気になってしまうということがあります。

納豆臭の原因

人間の皮膚には汗腺(皮脂腺)がたくさんあり、体温調整や皮膚表面の保護や保湿をしています。また、常在菌という微生物が皮膚には存在していて、外敵である病原菌から守ってくれています。

しかし、皮膚には汚れである垢が付き、それに常在菌が反応し、その際に汗や皮脂も併せて分解をしますが、汗や皮脂に含まれている脂質やタンパク質にアミノ酸などの成分から体臭の原因となるニオイ物質であるイソ吉草酸が発生しています。

このイソ吉草酸というのは、納豆が発酵する際に生じる独特のニオイの大半を占めるニオイ物質です。そのため、どこか納豆のような臭いがするという印象につながっています。

汗腺とニオイ

人間の汗腺には、エクリン腺とアポクリン腺があります。

エクリン腺は全身の体表面に分布している汗腺で、体温の調節などを行なっている水分の多いサラっとした無臭の蒸発しやすい汗です。

アポクリン腺は主に腋と性器周辺に存在する汗腺で、動物がフェロモンを分泌していた名残ともいえるものであり、性差が感じられるニオイ成分を含む粘度の高い汗になっています。
アポクリン腺の分泌液は無臭なのですが、こちらの汗腺は皮膚表面ではなく皮脂腺がある毛穴に分泌され、アンモニアなどのニオイ成分と皮脂が反応して臭うことになります。

ちなみに、乳腺はアポクリン腺の一つであり、またワキガやスソワキガもアポクリン腺によるものといえます。

納豆臭対策

納豆のようなニオイは、汗に含まれるニオイ成分が皮膚に存在する常在菌により分解されてニオイ物質であるイソ吉草酸が発生してしまうことが原因といえます。
汗自体は無臭ですが、汗とともに分泌される皮脂に含まれる脂質やアミノ酸がニオイ物質へと変化するものであり、その成分の濃度によってニオイは強まることになります。

そこで、汗をかいたと感じたら速やかに拭き取るというのが、一番のニオイ対策といえます。ただ、ニオイ成分も確実に拭き取る必要がありますから、殺菌作用を持つ汗取りシートを使って清潔度を高めるようにしてください。

ただし注意点として、殺菌効果が高すぎたり、制汗剤により発汗そのものを抑えこんでしまったりすると、皮膚を保護する皮脂分も失われてしまうことになり、乾燥肌などの皮膚荒れの症状を引き起こしかねません。ご使用前に、ご自身の肌質とのマッチングをご確認ください。

同様に、入浴時に納豆臭さを取り除こうとゴシゴシと洗いすぎると肌に負担をかけ、もし皮膚が傷つけばそこに雑菌が繁殖し、逆にニオイ成分が増えることにつながります。

ニオイがキツイと感じるような場合は、皮膚科で診察を受けるようにしてください。

ワキガ・スソワキガ

腋と性器周辺に強い臭気が発生している場合は、ワキガとスソワキガの可能性が高いと考えられます。ともにアポクリン腺からの汗で発生するニオイなのですが、アポクリン腺は第二次性徴頃から発達をするので思春期以降に発症します。

アポクリン腺からの発汗量は優性遺伝で決まるということから、両親や祖父母など家族や親戚にワキガの人が多くいる場合は、とてもリスキーです。

また、アポクリン腺は耳の中にある耳道腺からも分泌されているので、耳垢が湿る傾向にあり、それは思春期以前でも確認できる兆候といえます。

優性遺伝することから、人類全体では多数派ということになりますが、東アジアに住むモンゴロイド系の人たちは寒冷地域に適合した進化をし、体毛が少なく耳垢も乾燥したタイプが多いとのことです。

治療法

治療法としては、対症療法と手術によりアポクリン腺を取り除く方法が用意されています。

制汗剤
殺菌作用のある制汗剤により皮膚の常在菌を殺し、汗や皮脂が分解されてニオイ物質であるイソ吉草酸の生成量を抑える、という方法です
制汗剤には、クリーム状・ジェル状・スティックタイプ・スプレー式などさまざまですが、患部に直接塗りこむ方が効果的です
しかし、アポクリン腺に対し直接作用するものではないため、一時的にニオイの発生を止めるだけのものですが、軽度であれば十分な効果が認められています
減毛・脱毛処理
汗や皮脂などの分泌物が留まらないよう、減毛あるいは脱毛する、という方法です
ニオイ物質であるイソ吉草酸の生成量の減少につながりますが、こちらもアポクリン腺に対し直接作用するものではありません
制汗剤との併用が有効ですが、減毛脱毛時に皮膚を傷めてしまうと制汗剤が使用できなくなることもあります
ボトックス注射
ボトックス(A型ボツリヌス毒素製剤)を注入して、汗の分泌を促進させる神経伝達物質アセチルコリンに作用し、発汗を抑制させる方法です
1回の注入で4~6ヵ月の間、効果が持続するとされています
反転剪除法
手術療法の一つで、皮膚の一部を切開して裏返して汗腺をはさみで切り取っていく方法です
性器周辺はデリケートな部分であるため、基本的にはワキガに対する治療法となります
取り残しが無ければニオイは発生しなくなりますが、術後に汗腺が新たに成長する可能性は否定できません
汗腺吸引法
主にワキガに対する手術療法で、皮膚を切開して脂肪吸引器具を挿入して汗腺を吸い出す方法ですが、確実性に欠けるということから行なわれなくなっています
現在は、超音波による高振動で汗腺を吸引する方法を採用されており、機械の名称からソノペット法と呼ばれています
皮膚切除法
基本的にワキガに対する手術療法で、汗腺部分の皮膚を切り取ってしまう方法です
現在は他に十分効果が期待できる治療法があるため、行なわれなくなっています
電気凝固法
針を毛穴に刺して電流を流すことにより汗腺を破壊し固めてしまう方法です
半永久的な効果が期待でき、皮膚の切開もしないため、スソワキガの治療として行なわれますが、処置をする毛穴は相当数存在することから時間がかかってしまいます
電磁波照射法
電磁波(マイクロウェーブ)を皮膚表面から照射して熱エネルギーにより汗腺を破壊する方法です
こちらも皮膚を切開することが無く、半永久的な効果が期待できるものであり、しかも汗腺が存在しているエリアに照射するスタイルなので短時間で処置が終了して普段の生活への負担がないため、スソワキガの治療としてとても適した方法といえます

納豆足

足の指や裏にはアポクリン腺は無いのに、どうも納豆クサいという人がいるかもしれません。

サラリーマンやOLは、会社に出勤する際、靴下をしたうえで革靴など通気性の悪い靴を履いて行動しています。ほぼ一日中、両足共に湿気がこもりやすい蒸れやすい状況下におかれていることになります。

足は運動量も多いために非常に汗をかきやすく、また角質が厚いことから垢がたくさん出やすくなっていますが、常在菌は足の表皮にも存在しており、湿った環境下では特に活発に行動して、雑菌を繁殖させニオイ物質を生成してしまうことになります。

この時に発生する主なニオイ物質は、納豆臭を感じさせるイソ吉草酸と酸っぱい臭いがする酢酸です。

足のニオイ改善

【殺菌効果のある薬用石鹸】
足に繁殖した雑菌を取り除くため、殺菌効果のある石鹸を使ってしっかりと洗ってください。薬用石鹸には殺菌成分のほか、消臭効果が期待できる成分が含まれているものもあります。

足で一番ニオイが発生しやすいのは、汗が溜まりやすい指と指の間です。また、爪の隙間にも垢が挟まっていることがあります。足の指を重点的に洗うよう、心がけてください。

【角質ケア】
角質は皮膚に含まれるケラチン生成細胞(角化細胞)が表皮を形成する途上でケラチンを何層にも蓄積した結果として生まれます。

表皮には角質層がどこにでも存在していますが、部位により厚さが異なっており、頬などは比較的薄く、足裏などはとても厚みがあります。角質層は細胞としては死んだ状態といえるもので、いつのまにか剥がれ落ちてしまうのですが、これが垢となりニオイを発生する元になってしまいます。
特に足裏には皮脂腺がほぼ無く保湿が行なわれないため、皮膚のバリア機能が低下した状態になり、雑菌が発生しやすい場所になっています。

角質をケアする方法としては、お湯に足を漬けて角質を柔らかくし、カラダにとって不要な角質分を取り除きます。お湯の中には酢を混ぜると、酢酸によるピーリング効果を得ることにもなります。

そして、かかと落としクリーム、あるいは、かかと角質パックなどで古い角質層を除去してください。これらには保湿成分が含まれているものもありますので、かかとの健康にもプラスアルファが期待できます。かかと用電動リムーバーというのもありますので、かかとの角質化の状態により、使い分けてください。

【靴と靴下】
たとえ、足を丁寧に洗ったり、角質のケアに取り組んだりしても、靴や靴下が不潔な状態だと、その靴や靴下を身につけることでニオイを発生させてしまいます。

靴は毎日同じものを履くのではなく、一日使ったら翌日は殺菌消臭効果のあるスプレー等で靴を洗浄して通気の良いところで陰干しをしましょう。

靴下も脱いだら速やかに洗濯し日光消毒させてください。

納豆口臭

カラダが納豆クサいというのは、納豆のせいではなく、納豆のようなニオイを発生させてしまうバイキンが原因でした。
でも、口臭が納豆クサいというのは、納豆を食べた後のケアが不十分だと招いてしまうことがあります。

納豆の食べカスが口内に残ってしまっていると、納豆そのものによる口臭が発生してしまいます。納豆を食べた後は、歯磨きや洗口剤で口内ケアを行ないましょう。

細かく砕かれた納豆のカスが、歯と歯の間や歯と歯茎の隙間に取り残されていることもありますから、歯間ブラシや糸ようじなども使って丁寧に取り除いてください。
口の周りに納豆のネバネバ部分が付いていたり、洋服に納豆が一粒程飛ばされていたりすることもあります。

どこかからか納豆のニオイが漂っているような気がする時は、よくよく探して見つけ出してください。

ただ、納豆には体臭を予防する効果が期待できますので、納豆は積極的に食べるよう、心掛けるべきものです。納豆クサい体臭は、納豆そのものが悪いのでありません。納豆のようなニオイを発生させる原因を突き止めて適切な対策をとってください。

納豆口臭をさせないためには、口内ケアが必要です。納豆に限らず、食べカスが残っていると口臭は発生してしまいます。
食べカスを口の中に残ったままにしておくと、舌の上に堆積して舌苔(ぜったい)というニオイ発生物質が作られてしまいます。もし、舌が白っぽくなってきているようですと、すでに舌苔ができていると思われます。

そのような場合にはサプリメントで改善する可能性があるので、トライしてみるといいかもしれません。

サプリメント

サプリメントが持つマスキングは、イヤなニオイを別の良い香りで覆い隠してしまうもので、即効性があるものです。ミントの香りなど、納豆を食べていないかのような、爽やかな吐息に変えてくれます。ただし、香りが持続する時間は、それほど長くものではありませんし、覆い隠しているだけで口臭の発生そのものを抑えているわけではありません。
そこで、消臭殺菌成分が含まれているサプリメントで、口臭が発生しにくくなるような口内環境へと改善するという方法もあります。消臭殺菌作用があるサプリメントには、舌苔を取り除く効果が期待できるものがあります。
ドラッグストアなどで店員さんに効果効用を確認した上で試してみてください。

常日頃からサプリメントを摂取することで、口臭を発生させる細菌が繁殖しにくくなるような口内環境へと改善させることができるといわれています。納豆口臭対策の一つとして、ぜひ取り組んでみることをオススメします。