案山子男~オン・ザ・ビーチ~ | 地獄のゾンビ劇場 ~ZOMBIE THEATER~

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「地獄の血みどろマッスルビルダー」監督・深沢真一によるホラー映画雑学&雑談ブログ!

「案山子男~オン・ザ・ビーチ~」

(SCARECROW GONE WILD)

(2004年 アメリカ 88分)

 

案山子のお化けがアホっぽい若者どもを次々ブチ殺して行くだけのホラー第3弾!

 

 

体育会系部活の後輩いじめで、

案山子に裸で縛り付けられ放置された新入生が昏睡状態に。

新入生君は魂を案山子に奪われ精神的に同化。

すると案山子は案山子男となって元気に活動開始。

ビーチで戯れるいじめっこ先輩やその女友達らを1人ずつブチ殺します。

 

最後は昏睡の新入生が入院中の病院に、案山子男が押し掛けます(車で到着!自分で運転!)。

生き残った主役級の皆さんは、

新入生君の治療はしなきゃならないは、

案山子男の相手もしなきゃならないはで大わらわ。

でも昏睡の新入生と案山子男は精神レベルで一体化中なので、

新入生君に電気ショック治療すると案山子男がビリビリしちゃって、

治療と戦闘、何とか両立大成功!

 

 

前2作では殺されたいじめられっ子の魂が案山子に乗り移って復讐、

という単純で分かりやすい構図だったんですが・・・

 

今回のはいじめられっ子、生きてるんですよね。

で、意識は案山子の中に閉じ込められちゃってまして、

「僕は人殺したくないんだけど、案山子の身体が勝手に・・・」

という何だかややこしい設定。

 

で、いじめた先輩らの方も、

実はそんなに悪い奴らじゃなかったんですよ、

みたいな展開にするものだから、

復讐劇として全然成立しなくなっちゃいます。

 

ただこのシリーズは、

ゾンビ風のお化け案山子が人を殺しまくるだけの単純ホラーなので、

モンスターもの!

スラッシャーもの!

そして、スプラッターもの!

として盛り上げれば良いんです!

・・・盛り上げれば良いんですが・・・

 

今回、案山子男の造形はちょっとシンプルになりまして、案山子感、少々薄れました。

でもまあ、見た目ゾンビっぽくて良いモンスター感ではあります。

ゴムマスク、って感じですが。

被りやすそう。

 

スラッシャー、スプラッターとしては・・・

正直ちょっと物足りないですね。

 

殺人描写の演出は悪くないんですよ。

時にありきたりだけど、まあ、基本に忠実、って感じで。

 

ただ直接描写がほとんど無いんですよね。

気付くとお腹に内臓を乗っけて倒れてる、みたいな。

傷口見えないし。

 

太い棒が胸を貫通するシーンでも、

グサッという音だけで、気付けば既に刺さった状態。

 

カマで首を掻き切っても、傷口は手で押さえられちゃって見えません。

 

オフスクリーン処理が多いんですよ。

凶器を振り下ろすカットの後、近くの岩に血飛沫、とか。

 

観客は岩に血がかかるのを見たいんじゃないんです。

傷口から血が出る被害者の方の画が欲しいんですよ。

 

復讐劇としての面白みを追求しないのなら、

モンスター殺人鬼が大暴れする大スプラッター路線で、徹底的に攻めたら良かったのだと思います。

 

もしかしたら、レイティングの関係かも知れませんね。

 

でも展開はまあまあ面白かったと思います。

特にクライマックスは良い感じで盛り上がってました!

仲間の救命治療で大忙しなのに案山子男は全く空気読まずに襲って来る。

どうしよう!

・・・という最悪の状況からの反撃とか、良かったと思います。

 

その後の、全て解決したかに見えて実は・・・

と言う展開もアリですが、

クラマックスで十分盛り上げたんだから、

意外なラストはあんまりダラダラ展開させず、スパッと終わりたいところですね。

 

そんなこんなで88分間。

ゴムマスク感あるゾンビっぽい殺人鬼,が人を殺しまくるだけの、

気楽に楽しめる80~90年代っぽいホラーでした。

「13日の金曜日」初期シリーズのおとなし目な回、くらいな感じかな。

 

第1作「案山子男」のレビューはコチラから↓。

https://ameblo.jp/doragodon/entry-12355624157.html

 

第2作「案山子男2 復讐の雄叫び」のレビューはコチラから↓。

https://ameblo.jp/doragodon/entry-12325208532.html

 

 

 

 

 


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