「霊魂論」神秘学175
原始仏典には、ブッダと同時代の思想家たちの説がさまざまなかたちで伝えられている。そのうち、「沙門果経」には、当時の代表的な六人の自由思想家たち、プーラナ・カッサパ、マッカリ・ゴーサーラ、アジタ・ケーサカンバリン、パクダ・カッチャーヤナ、ニガンタ・ナータプッタ、サンジャヤ・ベーラッティプッタの思想が紹介されている。いずれもが婆羅門とは異なる沙門の思想で、仏教が成立したころの古代インドの思想状況を反映しています。六人のうち、プーラナ・カッサパ、マッカリ・ゴーサーラ、パクダ・カッチャーヤナの三人はアージーヴィカ派の思想家と考えられています。「六師外道」というのはあくまで仏教側からの表現であり他宗では、異なった視点で区別しており、結果として同一の思想家が全く異なった位置づけになっている場合があるのは盲目の人間が象を初めて触ったときの如く見解は変幻します。例えばヒンドゥー教においては、仏教も含めたこれらヴェーダの権威を否定する諸派閥を、そのなかでもとりわけ仏教とジャイナ教のほうを「ナースティカ」(非正統派, 異端)と呼び、それに対し六派哲学(シャド・ダルシャナ)を「アースティカ」(正統派)と呼び区別しているのは前述の通りです。バラモンから見ればシッダルタ自身は外道であったのですが後世のヒンズー教は第48番目の地位神としては認めていますが、ジャイナ教の信者から見ればマハーヴィーラ(尊称。本名ヴァルダマーナ)は外道の儘ですが、勿論のこと信者から見ればマハーヴィーラ(尊称。本名ヴァルダマーナ)は教団の開祖です。
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