安定した佳作。
344ページで8万1千語。
●The Best Laid Plans
評価:★★
シドニィシェルダン作品にはよく有能な女性が登場する。
シェルダン自身は男尊主義でアジア人をモンキーだと思っているのがたまに
透けて見えるんだけど、(リスペクトしてないわけではない)
ウーマンリブ運動とか女性の力が強くなりつつある時代の空気が感じられる。
有能女レスリーの星占いから始まるラブストーリーかと思いきや。
野心家オリバーは大統領になるためにレスリーを捨てて上院議員の娘と政略結婚。
レスリーは新聞社を乗っ取って大統領の批判キャンペーンを開始。
氷の淑女という邦題はちょっといただけない。
レスリーが社員にアイスプリンセスとか揶揄されてるんだけど、結局途中から
影が薄くなって最後には妄執的なキ○○イ女となって自滅してるし。
オリバーはまあね、女にだらしないのは身から出た錆なんだけど憎めない男ではある。
秘書とか若い女性が次々変死、疑いをかけられるも不倫のおかげでアリバイ成立とか。
物語の軸となる殺人事件と黒幕もまあBest Laidっていうほど練られたもんでもないけど、途中まで騙されてたわ。
途中からジャーナリストのダナさんが突然現れて物語を乗っ取る。
サラエボの子供を保護したり、戦争の惨状を世界に訴えて一躍有名人に。
最後には中東和平を取り持つオリバー大統領をリポートするダナでおしまい。
萌え大賞はあえて挙げるなら星占い師。
新聞社を乗っ取ったレスリーがお抱え顧問みたいにしてるんだけど驚異の的中率。