a letter from Nobidome Raum TEE-BLOG

東京演劇アンサンブルの制作者が、見る、聞く、感じたことを書いています。その他、旅公演や、東京公演情報、稽古場情報など。

欲望の展覧会

2018-08-16 12:08:22 | 東京公演
こんにちは。東京演劇アンサンブルの竹口です。

今回の舞台では総理大臣役をつとめます。

トゥランドットといえば、プッチーニのオペラが有名で、いつだったか、フィギュアスケートの荒川静香がこの作品の有名なアリアで滑ったことで、さらに知名度が上がりました。

わたしも高校時代にFM ラジオで全曲が放送されるのを聞いて、そのドラマチックな音楽に引き込まれて思わず二枚組のLP レコードを買い、ドミンゴになったつもりで繰り返し聴いたものです(笑)



しかし、ブレヒトのトゥランドットは、これとは随分テイストが違います。



トゥランドット姫は男を漁る好色な女。

彼女を取り巻くお偉方も、権力が欲しい、快楽が欲しい、地位と名誉が欲しい、金が欲しい、自分さえ良ければいい………といった調子で、これが国の指導者なのだと思うと、思わず頭を抱えてしまいそうな人たちのオンパレードです。


俳優たちは、こうしたいわゆる悪役たちに取り組むわけですが、彼らの持つ様々な欲望は、わたしたちには縁の遠い、特別なものというわけではなく、普段それを全面に押し出して暮らすことがないというだけで、わたしたち自身の中にも大なり小なりあるものです。

いま、稽古場では各人が自分の中にある欲望を掴み出して舞台に乗せようと、チャレンジを繰り返しているところです。

今回の舞台は客席をL字型に囲う形で、お客さんの目線の高さに浮かせた通路になっています。

ブレヒトの芝居小屋が、俳優たちが心の中から引き出してきた剥き出しの欲望の展覧会場となり、まさにこのような人たちの上から目線に囲まれて生きざるを得ない、現代の日本そのものとなるように、そして最後には、「もうあんたたちには用はない!」と、みんなで笑って引導を渡せるような、元気の出る舞台にしたいと思っています。





皆さまのご来場を、心よりお待ちしております。


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作 ベルトルト・ブレヒト
訳・ドラマトゥルク 黒田容子
演出  公家義徳
音響  島猛
照明  真壁知恵子
衣裳  稲村朋子
映像アドバイザー・撮影 飯名尚人
制作  小森明子・太田昭

■キャスト
トゥランドット姫      正木ひかり
皇帝            永野愛理
皇太后           志賀澤子
ヤウ・イェル        三木元太
総理大臣          竹口範顕
宮廷学者フィー・イェイ   篠原祐哉
アー・シャー・ゼン(農夫) 伊藤 克
エー・フェー(彼の孫)   山﨑智子
ゴーゲー・ゴーグ(ギャング)和田響き
マー・ゴーグ(彼の母)   原口久美子

浅井純彦
雨宮大夢
大橋隆一郎
小田勇輔
上條珠理
坂本勇樹
仙石貴久江
永濱渉
奈須弘子
町田聡子
真野季節
洪美玉

9/7 19
8 14
9 14
10  休演日
11 19☆
12 19☆

13 19
14 19
15 14
16 14
17 14


ブレヒトの芝居小屋

全席自由 開場は開演の30分前 整理番号順の入場

料金

前売一般 3800円 前売U25→3000円〈25才以下の方対象〉

当日4500円

☆Low Price Dayは一律2500円

チケット申込

東京演劇アンサンブル TEL:03-3920-5232 FAX:03-3920-4433

ticket@tee.co.jp

協賛 ケンタウルスの会

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