ということで、まずは今回も散々だった優勝予想の振り返りから。
まあ正直な話を言えば、初戦を見て、木更津総合◎は失敗したなーと思ったのだよね。千葉県の予選は、もっぱら東の中央学院ばかり見ていて、数字だけで選んでしまった。
1回戦、2回戦と大差ゲームが続いたものの、優勝するほどの強さは感じられなかった。
例えば昨夏の花咲徳栄、一昨年の作新学院、さらにその前の東海大相模と戦って勝てるかと言うと……。
それどころか貧打にあえいだ早川時代の木更津総合と戦ってもどうだったかなというところだ(左腕が得意な今年の木更津打線でも、3年時の抜群の安定感を誇っていた早川なら抑えられたと思うし、逆にあの貧打線でも6~7回にバテる野尻から何とか点をもぎ取り、1-0とか2-1くらいのスコアで勝ちそうである)。
「強力打線!」という触れ込みだったけれど、大会トップレベル級の好投手を攻略していく様は浮かばなかった。特に下位打線のバット短くもつ軍団は、優勝するチームの下位打線として見るとやや頼りない。
関東大会で板川・及川を、あるいは興南の藤木・宮城を攻略したことから、左投手にはあの下位打線も有効だったのかもしれないが、右投手にはどうなんだと思っていたら、しっかり下関の鶴田には抑えられてしまった。
それに仮にあそこを突破していても、大阪桐蔭、浦学には投攻守全てで1枚及ばず、金足なら吉田を打てなかっただろうし、それどころか済美、日大三、近江あたりと対戦してもどうかなというところ(うしろ2つは左腕主体のチームだけに、少し与し易かったかもしれないが)。
そして何より、これは試合前から分かっていたことではあるのだが、やっぱり無死一塁になると基本的に(四番の野尻以外)送らせる「手堅い」野球も、このご時世、優勝するには物足りない。
バント野球の金足農が準優勝したが、あのチームは普通に打力があり、バントはむしろ足枷になっていたようにすら思う。近江戦に代表されるように、効果的なスクイズも目立ったとはいえ。そしてその得意のスクイズも、準決勝、決勝では裏目に出てしまっていた(というかサインミスなのか)。
話を木更津に戻すと、もちろん送ること自体が悪いとは言わない。しかし、何度書いたかわからないのだが、それは作戦の選択肢の一つとしてあるべきだ。
だいたい下位打線に向かっていくのに、四番が出塁して五番に送らせてどうするというのだ。そりゃ大阪桐蔭くらい怖いバッターが並んでいれば別だが、五島監督自身、バット短く持つ軍団について訊かれた際に、うちの下位打線は振りが弱いものですから……と答えているし。
木更津総合は全力校歌(※1)とか、軽快で楽しげなブラバン(※2)とか、応援したくなるチームカラーなのだが、関東で全国優勝から最も遠ざかった千葉県に優勝旗を持ってこれるかどうかという視点では、今大会を見て限界を感じてしまった印象だ。
来年も2年生の剛腕・根本に1年生の篠木が残り、相変わらず投手力では期待できるチームなのだが……。
今後の千葉県勢としては、監督がシダックス出身でノムさんの教え子、充実した指導体制(複数のコーチと、データ化、数値化を重視した練習メニュー)といった新興・中央学院に期待した方が良いかもしれない。まあここの監督も、なんか変なバントやるんだけど。
※1 しかし今年の金足の躍進によって、この先他のチームが全力校歌をすると、「金足リスペクト」とか言われるんだろーな。まあ木更津総合にしても元祖という訳ではなく、たしかもっと前からやっているところがあったはずだが(甲子園でやったのは木更津が初かな?)。
※2 チャンス紅稜が相変わらず良い。何年か前の、前奏とメインの部分でテンポを変えていたのが気持ち悪かったのだが、いつの間にか戻っていた。
ところで以下どうでもいい余談なのだが、1回戦のアルプスリポートで、得点が入ると木更津市に証城寺があることにちなみ、「証城寺の狸囃子」を演奏する応援を4年前から取り入れた、と説明されていた。
あれは15年春の静岡戦(村木がいたチーム)だったと思うが、やはりアルプスリポートで同じような説明をしていて、チアガールがお腹をポンポンと叩く狸踊り(?)を披露。木更津は3回の攻撃で1点を挙げていて、たしかそのリポートは4回の攻撃前だったということで、この後もアルプスからは狸囃子が響き渡ります!みたいな締めだった。
しかしそのリポート以降、ランナーは出すものの親の仇のように点が取れなくなって負けたのであった(9回にようやく1点を取ったが遅い反撃だった)。
で、その後この曲を聞くことが無くなったように思っていたので、縁起が悪いからと取りやめたのかと勝手に思っていたのだが……気のせいだったようだ。昔のブルーレイをひっぱり出して、試しに2016年センバツの大阪桐蔭戦の得点シーンを見たらちゃんと演奏していた。
(過去の予想で、15年夏○作新学院⇒16年夏優勝、16年春▲夏○花咲徳栄⇒17年夏花咲徳栄優勝というのが続いていた)
仮に上位進出しても、大阪桐蔭には最後まで勝てなかったと思う。
予想のところでも書いたように注目すべきは、大阪桐蔭がミレニアル世代が抜けて小康状態になる一方で、西川、東妻、黒川、根来といった主力陣が最上級生になる新チーム。期待の1年生細川も、途中出場で甲子園の守備と打席を経験した。
あとは平田が抜けた投手陣がどこまで整備できるか。センバツ決勝で大阪桐蔭相手に先発して試合を作った池田の飛躍に期待。もちろん2枚目以降も重要だが、夏はほとんど外野手専念の根来が再び投手になるのか、他に良い投手が出てくるのか……?
投手陣次第だが、それさえ目途が立てばチャンスは大きいはずだ。
……と書いてずっと放置していたら、高嶋監督勇退とのことで。後任はもちろん中谷コーチ。
まあ年も年だし、というか3年前に一度辞めると言っていたはずだし。その頃から健康状態がどうの、とか言ってたような。なおその時の右腕は中谷ではなく、同じく教え子かつ元プロの喜多だったはずだが、wiki情報だとほとんど入れ替わるように退任している。
あの頃の智弁和歌山はなんか完全に落ち目といった感じだったが、それを復活させセンバツ準優勝に導いたのは中谷コーチの功績も大きく、その手腕は実証済み。ただ、監督としてはどうなのかは未知数。
就任早々甲子園で結果を出すというのは難しいようにも思え、そうすると優勝予想という点では足踏みしたくなるところだが……?
【勝敗予想】
【優勝予想】
【ベスト8予想】
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◎木更津総合……3回戦敗退○○●
1回戦、2回戦と大差ゲームが続いたものの、優勝するほどの強さは感じられなかった。
例えば昨夏の花咲徳栄、一昨年の作新学院、さらにその前の東海大相模と戦って勝てるかと言うと……。
それどころか貧打にあえいだ早川時代の木更津総合と戦ってもどうだったかなというところだ(左腕が得意な今年の木更津打線でも、3年時の抜群の安定感を誇っていた早川なら抑えられたと思うし、逆にあの貧打線でも6~7回にバテる野尻から何とか点をもぎ取り、1-0とか2-1くらいのスコアで勝ちそうである)。
「強力打線!」という触れ込みだったけれど、大会トップレベル級の好投手を攻略していく様は浮かばなかった。特に下位打線のバット短くもつ軍団は、優勝するチームの下位打線として見るとやや頼りない。
関東大会で板川・及川を、あるいは興南の藤木・宮城を攻略したことから、左投手にはあの下位打線も有効だったのかもしれないが、右投手にはどうなんだと思っていたら、しっかり下関の鶴田には抑えられてしまった。
それに仮にあそこを突破していても、大阪桐蔭、浦学には投攻守全てで1枚及ばず、金足なら吉田を打てなかっただろうし、それどころか済美、日大三、近江あたりと対戦してもどうかなというところ(うしろ2つは左腕主体のチームだけに、少し与し易かったかもしれないが)。
そして何より、これは試合前から分かっていたことではあるのだが、やっぱり無死一塁になると基本的に(四番の野尻以外)送らせる「手堅い」野球も、このご時世、優勝するには物足りない。
バント野球の金足農が準優勝したが、あのチームは普通に打力があり、バントはむしろ足枷になっていたようにすら思う。近江戦に代表されるように、効果的なスクイズも目立ったとはいえ。そしてその得意のスクイズも、準決勝、決勝では裏目に出てしまっていた(というかサインミスなのか)。
話を木更津に戻すと、もちろん送ること自体が悪いとは言わない。しかし、何度書いたかわからないのだが、それは作戦の選択肢の一つとしてあるべきだ。
だいたい下位打線に向かっていくのに、四番が出塁して五番に送らせてどうするというのだ。そりゃ大阪桐蔭くらい怖いバッターが並んでいれば別だが、五島監督自身、バット短く持つ軍団について訊かれた際に、うちの下位打線は振りが弱いものですから……と答えているし。
木更津総合は全力校歌(※1)とか、軽快で楽しげなブラバン(※2)とか、応援したくなるチームカラーなのだが、関東で全国優勝から最も遠ざかった千葉県に優勝旗を持ってこれるかどうかという視点では、今大会を見て限界を感じてしまった印象だ。
来年も2年生の剛腕・根本に1年生の篠木が残り、相変わらず投手力では期待できるチームなのだが……。
今後の千葉県勢としては、監督がシダックス出身でノムさんの教え子、充実した指導体制(複数のコーチと、データ化、数値化を重視した練習メニュー)といった新興・中央学院に期待した方が良いかもしれない。まあここの監督も、なんか変なバントやるんだけど。
※1 しかし今年の金足の躍進によって、この先他のチームが全力校歌をすると、「金足リスペクト」とか言われるんだろーな。まあ木更津総合にしても元祖という訳ではなく、たしかもっと前からやっているところがあったはずだが(甲子園でやったのは木更津が初かな?)。
※2 チャンス紅稜が相変わらず良い。何年か前の、前奏とメインの部分でテンポを変えていたのが気持ち悪かったのだが、いつの間にか戻っていた。
ところで以下どうでもいい余談なのだが、1回戦のアルプスリポートで、得点が入ると木更津市に証城寺があることにちなみ、「証城寺の狸囃子」を演奏する応援を4年前から取り入れた、と説明されていた。
あれは15年春の静岡戦(村木がいたチーム)だったと思うが、やはりアルプスリポートで同じような説明をしていて、チアガールがお腹をポンポンと叩く狸踊り(?)を披露。木更津は3回の攻撃で1点を挙げていて、たしかそのリポートは4回の攻撃前だったということで、この後もアルプスからは狸囃子が響き渡ります!みたいな締めだった。
しかしそのリポート以降、ランナーは出すものの親の仇のように点が取れなくなって負けたのであった(9回にようやく1点を取ったが遅い反撃だった)。
で、その後この曲を聞くことが無くなったように思っていたので、縁起が悪いからと取りやめたのかと勝手に思っていたのだが……気のせいだったようだ。昔のブルーレイをひっぱり出して、試しに2016年センバツの大阪桐蔭戦の得点シーンを見たらちゃんと演奏していた。
○龍谷大平安……3回戦敗退○○●
ここはベスト8予想の中から消去法で選んだのだけど(序盤だけ見ていた乙訓戦で、好投手相手に完勝していたのもあるが)、木更津総合と直接対決したら普通にこっちの方が勝っていたかな。
途中までは映像で見ていた八戸学院光星戦での松田のダイナミックなファインプレーを見て、優勝校のショートはこれくらい出来なきゃだめだと思い、◎と○を逆にした方が良かったかな?と思ったりもした。木更津のショート神子も良いのだけど、優勝校のショートとして見ると迫力不足。
ただ、予選の成績を見ると控えの投手もそこそこ投げていたが、甲子園ではほとんど小寺頼み。初戦の継投も、足を攣ったからだし……。
それでは仮に日大三高に勝っていたとしても、次かあるいはその次でもたなかったかな……というところ。
▲智弁和歌山……1回戦敗退●
これはまあ、予想から外して優勝されたら悔しいから入れたというのが強いので……。途中までは映像で見ていた八戸学院光星戦での松田のダイナミックなファインプレーを見て、優勝校のショートはこれくらい出来なきゃだめだと思い、◎と○を逆にした方が良かったかな?と思ったりもした。木更津のショート神子も良いのだけど、優勝校のショートとして見ると迫力不足。
ただ、予選の成績を見ると控えの投手もそこそこ投げていたが、甲子園ではほとんど小寺頼み。初戦の継投も、足を攣ったからだし……。
それでは仮に日大三高に勝っていたとしても、次かあるいはその次でもたなかったかな……というところ。
▲智弁和歌山……1回戦敗退●
(過去の予想で、15年夏○作新学院⇒16年夏優勝、16年春▲夏○花咲徳栄⇒17年夏花咲徳栄優勝というのが続いていた)
仮に上位進出しても、大阪桐蔭には最後まで勝てなかったと思う。
予想のところでも書いたように注目すべきは、大阪桐蔭がミレニアル世代が抜けて小康状態になる一方で、西川、東妻、黒川、根来といった主力陣が最上級生になる新チーム。期待の1年生細川も、途中出場で甲子園の守備と打席を経験した。
あとは平田が抜けた投手陣がどこまで整備できるか。センバツ決勝で大阪桐蔭相手に先発して試合を作った池田の飛躍に期待。もちろん2枚目以降も重要だが、夏はほとんど外野手専念の根来が再び投手になるのか、他に良い投手が出てくるのか……?
投手陣次第だが、それさえ目途が立てばチャンスは大きいはずだ。
……と書いてずっと放置していたら、高嶋監督勇退とのことで。後任はもちろん中谷コーチ。
まあ年も年だし、というか3年前に一度辞めると言っていたはずだし。その頃から健康状態がどうの、とか言ってたような。なおその時の右腕は中谷ではなく、同じく教え子かつ元プロの喜多だったはずだが、wiki情報だとほとんど入れ替わるように退任している。
あの頃の智弁和歌山はなんか完全に落ち目といった感じだったが、それを復活させセンバツ準優勝に導いたのは中谷コーチの功績も大きく、その手腕は実証済み。ただ、監督としてはどうなのかは未知数。
就任早々甲子園で結果を出すというのは難しいようにも思え、そうすると優勝予想という点では足踏みしたくなるところだが……?
【勝敗予想】
31勝24敗
1回戦:13勝11敗
2回戦(初戦):2勝2敗
2回戦(2戦目)10勝2敗
1回戦:13勝11敗
2回戦(初戦):2勝2敗
2回戦(2戦目)10勝2敗
3回戦:3勝5敗
準々決勝:1勝3敗
準決勝・決勝:2勝1敗
準々決勝:1勝3敗
準決勝・決勝:2勝1敗
【優勝予想】
◎木更津総合……3回戦敗退○○●
○龍谷大平安……3回戦敗退○○●
▲智弁和歌山……1回戦敗退●
【ベスト8予想】
A:愛工大名電……3回戦敗退○●(正解:報徳学園)
B:浦和学院……当たり○○
C:星稜……2回戦敗退○●(正解:済美)
D:大阪桐蔭……当たり○○○
E:智弁和歌山……1回戦敗退●(正解:近江)
F:横浜……3回戦敗退○○●(正解:金足農)
G:木更津総合……3回戦敗退○○●(正解:下関国際)
H:龍谷大平安……3回戦敗退○○●(正解:日大三)