前回の記事

 

「切なくも美しい物語　前編」

https://ameblo.jp/spiritual-b-boy/entry-12425513972.html

 

 

の続きです。

 

大阪の友人から連絡をうけて急行したところ、亡くなった修司さんの意識が妹の美紀さんの肉体に宿っている、ということが判明しました。

 

 

 

それは、美紀さんと、ほかならぬ修司さんのものでした。

 

こういう時は、彼らの先祖である守護霊に話を聴くのがベストです。

 

何故こんなことになっているのか、教えてもらうことにしました。

 

 

 

修司さんの守護霊が心配そうに見守っているのを感じたため、修司さんの守護霊を呼びました。

 

すると、姿が見えてきました。

 

400年ほど前の人物で、古い巫女の装束を着た女性でした。

 

「あなたはどなたですか、これはどういう状況ですか。」

 

と尋ねると、守護霊が語り始めたのです。

 

 

 

「わざわざ来てもらってすまぬ。貴殿の先祖と話をつけさせてもらった。我は、この者たちの母方の先祖である。修司は、強い思い残しがあったため、未だにこの世に留まっておる。美紀は、我の気質を強く受け継いでおるため、霊媒体質なのじゃ。かつ、この兄妹は極めて結びつきが強かった。父親が早くに家を出たため、兄が妹の面倒をみることが多かったことも大きい。美紀の離れたくないという思いと、修司のやり残したことがある、という強い思いとがこういう現象を引き起こしたのじゃ。しかし、あまり長く続けていると、美紀の精神に強い負担がかかる。そのため、時々我がこうして強制的に眠らせることで体力を回復させておるのじゃ。今のところは美紀の意識は眠った状態で保たれておるから心配はいらぬ。」

 

霊能力は母方の血筋から遺伝する傾向が強くあります。

 

巫女や霊媒体質の女性の場合、母方に能力者の先祖がいる場合が非常に多いのです。

 

他にも、いて座やかに座の生まれが多い、とも言われています。

 

守護霊の話をなるべくわかりやすく、太一さんと太一さんの彼女に説明しました。

 

すると、当然と言えば当然ですが、二人とも神妙な表情をしていました。

 

信じられないという思いと、目の前で起きているのだから信じるほかない、という思いとが交錯しているようでした。

 

そこで、急がないと美紀さんの精神が心配だという話はせずに、修司さんの思い残していることは何なのかを明らかにし、その思い残しを解消してあげることで、この事態を解決することが出来るであろう、ということだけを伝えました。

 

二人は

 

「わかった。出来る限り協力するから、なんでも言って！」

 

と言ってくれました。

 

 

 

そんなやり取りをしていると、美紀さん（意識は修司さん）が目を覚ましました。

 

布団からむくりと上半身を起こすと、私の顔を見るなり、目に涙をうかべながら抱き着いてきました。

 

「おわーっ！！タカテル君やんけ！！久しぶりやな～！！元気にしとったか～！！ずっと会いたかったんや～！！なんか変なことになっとるんやけど、とにかく会えてうれしいわ～！！」

 

体は美紀さんでしたが、その独特なしゃべり方と友達思いの底抜けの優しさは、間違いなく修司さん本人でした。

 

修司さんは、本当はもう亡くなっているのだよな、と思うと、私も涙が止まりませんでした。

 

泣いている理由はそれぞれ異なっていましたが、お互い再会を喜びあいました。

 

しばらくは、たわいもない世間話などをしていましたが、少しずつ話を本題に近づけていきました。

 

いきなり死を認識させようとしたりすると、混乱してしまう場合もあるためです。

 

「修司さん、一昨日のことを覚えていますか・・・？」

 

「あぁ、覚えとるで。たしか、あの日は、仕事終わりにおかんのとこに行こうと思ってて。仕事中にな、急におかんの顔が浮かんで、なんかしらんけど、強烈に会いに行かな！って気がしたんや。んでチャリンコこいで駅に向かってたはずやねんけど・・・。途中で夢でもみてたんやろうか。なんか太一に向かって、俺やで！修司や！って必死に叫んでたような記憶があるような。そんで、何故か気が付いたら美紀の家におって。太一も理沙ちゃん（太一さんの彼女）もえらい心配そうに、休んどき、休んどきって言うねんな。美紀もおらんし。やったら眠くなるし。何がどうなっとんのやろ。」

 

この話でハッキリと分かりました。

 

修司さんは、自分の意識が美紀さんの肉体に宿っている、ということに気が付いていなかったのです。

 

霊は、自分の見たい世界を構築し、そのフィルターを通して世界を見ていることがあります。

 

肉体を卒業すると、心で思ったことが即時現実化する世界に移行するため、強い思い込みがあると、こちらの世界もそう見えてしまうのです。

 

修司さんの守護霊と相談をしながら、少しずつ少しずつ、話を核心に近づけていくことにしました。

 

さっきの話を聴いていて、修司さんをこの世に留めている思いは、お母さんと関わっている、ということが分かりました。

 

 

 

「修司さん、お母さんはどんな人ですか？」

 

「ん？おかん？うちのおかんはなぁ、俺と美紀を女手一つで育ててくれた、肝っ玉母ちゃんでな～。モロ大阪のおばちゃん、って感じの豪快な人やねん。でもな、3年前くらいにちょっとしたことで大ゲンカしてしまって、ずーっと連絡もとってなくて。俺も意地になってたんやなぁ。美紀に、お母ちゃん寂しそうにしとるで、って言われても、自分からは絶対に連絡せん！ってな。でも何故か一昨日は、もう意地張るのやめよ！って思い立ってん。そうや！おかんのとこ行かな！」

 

そう言って、立ち上がろうとするので、待ってください！と言って引き止めました。

 

「修司さん、お母さんと仲直りするのに一番良い方法、なんだかわかりますか？？」

 

「えっ？そりゃぁ、面と向かって、おかん！久しぶりやな、元気か！って！・・・でもよく考えたら恥ずいよなあ。どないしよう。う～ん。タカテル君、なんかいいアイディアある？？」

 

「そうですよ。多分お互いに意地を張ってしまって、また喧嘩になっちゃいますよ。修司さんて、文章を書くお仕事をしてましたよね？前に読ませてもらった文章、かなり洗練されてましたよ。」

 

「うん。俺一応ライターの端くれやから、広告の文章考えたり、映画評論とか、作家のゴーストライターとか、そんな仕事しとるで。そういえば、一度小学校の作文コンクールで銀賞もらったことがあるんやけど、それをおかんがめちゃめちゃ喜んでくれてなぁ。それがずっと忘れられなくて、ライターになってん。稼ぎは少ないけど、文書には自信あるで！って言っても、褒めてくれるのは、おかんとタカテル君くらいなんやけどもｗ」

 

私は涙をこらえつつ、努めてニコニコしながら

 

「そうですよ！お母さんに手紙を書きましょう！今からみんなで一緒に手紙の内容を考えましょう！」

 

と答えましたが、太一さんと太一さんの彼女はボロボロ泣いていました。

 

「いや、自分ら何で泣いとんねんｗまだ感動するとこちゃうやろｗこれからやで！」

 

と嬉しそうに言う修司さんの言葉に、私たちはもう、そうだねえ、そうだねえ、と答えるのが精いっぱいでした。

 

 

 

実はこの時、美紀さんの肉体のまま修司さんとお母さんを会わせてみるのはどうだろうか、とも考えたのです。

 

しかし、守護霊がそれは絶対にやめてくれ、と伝えてきたのです。

 

息子を亡くして憔悴しきっている状態のお母さんに、自分は修司だと言い張る美紀さんが会いに行ったら、お母さんが耐えられるわけがない、とのことでした。

 

冷静になってみれば、当然ですね。

 

こういう時、時空を外した少し先の未来の視点から導いてくれる守護霊のメッセージは本当に大切です。

 

感情論だけで人が幸せになるとは限らないからです。

 

 

 

こうして、皆で修司さんの手紙を手伝い始めました。

 

夜中の3時になった頃でしょうか、やっと手紙が完成しました。

 

「よし！出来た！読んでみるで！」

 

そう言って、修司さんが完成した手紙を読み始めました。

 

 

 

拝啓

 

おかん。

お元気ですか？3年も連絡せずに、ごめんなさい。

おかんに言われた、自立しろって言葉、今でもしっかり胸に刻んでます。今俺は、小さな広告の会社で、コピーライティングの仕事をしてます。一応自分の文章で飯食わしてもらってるで！俺なんか、なんの取柄もない、しょーもない男やって思ってたけど、おかんが褒めてくれた文章を書くことだけは、ずーっと続けてきました。そしたら、ネットで俺の文章見つけてくれた人が今の会社を紹介してくれて、そこに拾ってもらうことが出来ました。好きなことを続けてきてよかったなって、心から思ってます。おかんが、銀賞やのに、あんなに褒めてくれて、お前は地球で一番文章が上手い！って大げさに褒めちぎってくれたおかげやで。うちは貧乏やのに、あの日は奮発してすき焼きにしてくれたよな。ありがとうな。俺も美紀も、ほんまに嬉しかったよ。いつも二人であの時のこと話してんねん。また、三人ですき焼き食べたいな、って。

俺たちには親父はおらんかったけど、おかんは、俺らのお母さんであって、お父さんでもあったんやな。

苦労かけてばっかりで、なかなか楽させてやれんかったけど、これからは、ずっとそばにおるから。

俺な、友達にも恵まれてん。おかんに気い使わせたくなくて、紹介したことなかったけどな、太一っていう親友がおってな。こいつがめっちゃいいやつで、彼女もこいつにはもったいないくらい、良い子やねん。よく仕事の愚痴とか聞いてもらって、いろんな相談のってもらってます。大阪だけやないで！タカテル君っていう友達が東京にもおってな。太一に紹介されて何度も三人で遊んでんけど、これまためちゃめちゃ好青年で！おかんの次に俺の文章褒めてくれた人やねん。

こんな最高な友達に囲まれて、俺めっちゃ幸せやった。俺みたいなもんにずっとついててくれて、心配してくれて。
美紀には幸せになってほしいな。こないだ結婚考えてるって、彼氏紹介されてんけど、ショックで彼氏に冷たくしてしまってな。おかんから謝っといてもらえんかな。そんで、ええ男やん！幸せになれよ！って伝えたって！

おかん、今までほんまにありがとう。
俺はずっとずっとそばにおるから。寂しくないで。
心から愛してる。

 

修司

 

 

 

「あれ？おかしいなあ。なんか、何度推敲して書き直しても、お別れの手紙みたいになってしまう。でもこれでいいような感じがするんよなあ・・・。なんでやろ・・・。あぁ、そういうことか・・・。俺、死んでしまったんやなあ。よく見たらこれ、美紀の体やん。美紀にも悪いことしたなぁ、そろそろ体返したらな。」

 

その時の修司さんの顔は、少しの悲しみも感じさせない、本当に穏やかな表情で微笑んでいました。

 

「みんな、ありがとう。ほんまに辛い思いさせてごめんな。みんなが友達でいてくれて、俺、本当に幸せ者やで。俺、これでようやく旅立てるわ！これから先は、みんなの守護霊になるから！困ったことがあったらいつでも呼んでくれな！ちゃちゃっと助けるでｗ」

 

こらえきれなくなって、全員でハグをしました。

 

もうみんな涙を隠すことなく、号泣しています。

 

 

 

すると、美紀さんの体から、金色の粒子が霧のように出てきました。

 

それは、人のシルエットを形作ったあと、守護霊に導かれるように、ゆっくりと空中で消えていきました。

 

修司さんの思い残しが解消されて、あちらの世界に旅立っていったのです。

 

 

 

「あぁ、これで修司さんの思い残しを解消することが出来た・・・。」

 

と感じていると、突然私の意識が遠のいていきました。

 

同時に、美紀さんの意識が戻ったようです。

 

太一さんが美紀さんに話しかけているのが遠くで聞こえます。

 

「あれ、疲れが出たのかな？まぁ、いいや。少し眠らせてもらおう。」

 

そう思って、床に横になりました。

 

 

 

そして目が覚めると、、、こちらの世界に戻ってきていたのです。

 

あまりにもリアルな体験で、しばらくぼーっとしてしまいました。

 

それから起きてみて、びっくりしたのですが、枕が自分の涙でびしょびしょになっていたのです。

 

それを見て、あぁこれは夢ではなく、別の世界で現実に体験したことなのだな、と理解しました。

 

こんなことも起こるのですね。

 

 

 

「地球母神のメッセージ　～今、何が大切なのか～　前編」

https://ameblo.jp/spiritual-b-boy/entry-12422114305.html

 

「地球母神のメッセージ　～今、何が大切なのか～　後編」

https://ameblo.jp/spiritual-b-boy/entry-12422802195.html

 

で書いたように、今は「人との繋がり」が大切なテーマです。

 

家族や大切な人との繋がりを改めて意識してみましょう。

それが私たちが生きていくうえでの、力の源になります。

 

そして、先祖や自分のルーツにも目を向けてみてください。

 

汲んでも汲んでも無くならない「愛の泉」は自分の内に湧かせることが出来ます。

 

「ここから飛躍するための8月の過ごし方　～母性が鍵になる～」

https://ameblo.jp/spiritual-b-boy/entry-12394294477.html

も参考にしてみてくださいね。


この話は、今の時期にとても大切な内容です。

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読んでいただき、ありがとうございます。

 

 

 

ps.最近は、特にリアルな夢を見る人が増えているようですね。

 

夢は潜在意識からの手紙であり、非常に重要なメッセージの詰まった宝石箱です。

 

なるべく真摯な気持ちで向き合って、意味を理解しましょう。

それが自分の人生に対する指針となります。

 

 

 

 

 

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下記の記事でもシリウスを紹介しました。

是非読んでみてくださいね。

「甑島への旅 ～オリオンミッション～」
http://ameblo.jp/spiritual-b-boy/entry-11948251087.html

 

 

 

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