【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》

古都、薬を売る老翁(壷公)がいた。翁は日暮に壺の中に躍り入る。壺の中は天地、日月があり、宮殿・楼閣は荘厳であった・・・・

めくるめく知のフロンティア・学究達 =059= / 渡辺佑基(29/53)

2020-07-07 06:29:15 | 浪漫紀行・漫遊之譜

地球に生息するアザラシから、チョウザメ、ウナギ、ワニ、ペンギン

つまり 北極圏―中国深部―マレーシア―フロリダ―南極まで

インディ・ジョーンズばりに世界の極地を飛び回り、兵器“データロガー”で野生動物を狙う

驚くべきデータを次々に発表する / 大型捕食動物の生理生態学者・渡辺佑基

【この企画はWebナショジオ_“日本のエキスプローラ”/バイオロギングで海洋動物の真の姿に迫る”を基調に編纂】

(文/写真=渡辺佑基= & イラスト・史料編纂=涯 如水)

 伏兵アカマンボウの逆襲 =3/4= ◆◇

 マグロ類やホホジロザメは尾びれをひっきりなしに振って泳ぎ続けるが、尾びれを動かす原動力は、体幹部の筋肉の絶え間ない収縮運動である。そしてその際に発生した熱を筋肉中にため込むことによって、これらの魚は高い体温を維持している。たとえるなら冬の寒空の下でマラソンを続けることによって、体を温めているようなものだ。

 けれどもマグロ類やホホジロザメ以外にも、尾びれを振って泳ぎ続ける魚はたくさんいる。ブリやサバ、サケなどの仲間がそうだ。なぜ、これらの魚は体温が高くないのだろうか。

 その答えの鍵はエラ呼吸にある。一般に動物の体内では、体中に張り巡らされた血管を流れる血液によって熱が運搬されている。ところが魚の場合、体内をめぐる血液は、必ずエラを通過してまわりの水から酸素を取り込む。エラでは血液とまわりの水とが近接するので(そうでないと酸素が取り込めない)、その際に血液にため込んだ熱は水中に逃げてしまう。つまりブリやサバがいくら連続的に尾びれを振り、筋肉の運動によって熱を発生させても、その熱は発生するそばから血液とともに筋肉の外に運ばれ、エラに到達した時点で霧散してしまう。

 マグロ類やホホジロザメももちろんエラ呼吸をするが、血液が体内を1周しても筋肉中に熱が保持されるような、特殊な体の仕組みを持っている。それが対向流熱交換器(counter-current heat exchanger)と呼ばれる血管の配置だ。こんなふうに専門用語を出すと、なんだか難しそうに聞こえてしまうが、その原理はすこぶる単純なので、安心して聞いてほしい。

マグロ類やホホジロザメでは、筋肉に入っていく血管と、筋肉から出て行く血管が隣り合っている。筋肉に入っていく血管には冷たい血液が流れているが、一度筋肉に入り、出て行くときには温かくなっている。ところがその熱は、血管が隣り合っていることにより、筋肉に入っていく血液へとすぐに乗り移るので、外に出て行くことなく(そしてエラで霧散することなく)、筋肉の内部を循環する。

 これがマグロ類やホホジロザメが体の一部分を温めるメカニズムだ。なるほどよくできたメカニズムであるが、いっぽうで、心臓を温めることができないという欠点を抱えている。

 心臓は生命活動を支える根源的な器官である。マグロ類やホホジロザメのやり方では、温められるのは体幹部の筋肉とその周辺に限られており、エラの近くに配置されている心臓は、どうしても冷たいままである。そして心臓が冷え過ぎると、体内に血液を循環させるポンプとしての機能が低下してしまうため、マグロ類やホホジロザメは時折温かい水に体をさらして(つまり浅いところに浮上して)、心臓の機能を回復させなければならない。

 この「冷たい心臓」の問題は、魚がエラで呼吸している限り、そしてエラと心臓が近くに配置されている限り、解決不可能な問題であると考えられていた。そう、アカマンボウが登場するまでは。

・・・・・・明日に続く・・・・

 

■□参考資料: ホホジロザメ (1/2)   □■

ホホジロザメ(頬白鮫、Carcharodon carcharias)は、ネズミザメ目ネズミザメ科ホホジロザメ属に分類されるサメ。本種のみでホホジロザメ属を形成する。ホオジロザメとも。「白い死神」とも呼ばれる。ホホジロザメの名称は日本魚類学会発行の『日本産魚類目録』に記載された標準和名である。

亜熱帯から亜寒帯まで、世界中の海に広く分布している。北はアラスカやカナダ沿岸にも出現した記録がある。アメリカ合衆国や南アフリカ共和国、オーストリア、ニュージーランドの周辺海域、地中海等で多く見られ、日本近海にも分布する。2009年」には、メキシコ-ハワイ間の深海にホホジロザメが集う海域があるという研究結果が公表され、この海域はホホジロザメ・カフェと呼ばれている。

ヒトでは)が白いことが和名の由来。胸裏側の先端部には、大きな黒斑がある。背側は濃灰色から黒色、腹側は白色で、体を側面から見ると、背側と腹側の色は1本の線ではっきりと分かれている。

体型はがっしりとした流線紡錘型で、尾鰭は上下の長さがほぼ等しい三日月型。平均的なホホジロザメの体長は4.0-4.8メートル、体重680-1,100キログラム。最大体長と体重に関しては諸説あり、一致した見解が無い。体長11メートルを越える巨大な個体も報告されているが、専門家の意見では体長6メートル、体重1,900キログラム程度が最大と見積もられている。

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推定値ながら、台湾沖やオーストラリア沖などで、切り落とされた頭部の大きさなどから体長7メートル以上、体重2,500キログラム以上と推定される個体が捕獲されたことがある。大きさや体型が似たウバザメが見間違われることもある(厳密には、ウバザメの方が大きい)。

歯は非常に鋭利な正三角形で、長さは7.5センチメートル、ノコギリのようなギザギザを持つ鋸歯(きょし)状縁になっている。皮や筋肉を切断するのに適した形状で、ホホジロザメは獲物から一噛みで約14キログラムの肉塊を食いちぎるといわれている。歯列は3段あり、歯が1本でも欠けたり抜け落ちたりすると、すぐに後ろの歯列がせり上がってきて古い歯列を押し出す。これはサメ類に共通の特徴であり、歯は何回でも生え変わる。

主に沿岸域の表層付近を泳ぐ。沖合から海岸線付近まで近づくこともある。海表面近くにいることもあるが、250メートルより深いところにも潜る。アザラシオットセイの繁殖地の周辺海域に集まることが多い。海面を泳ぎながら顔を出し、体を横に回転させながら口を開閉するrepetitive aerial gaping と呼ばれる行動が観察されるが、これは他のサメには見られないホホジロザメの特有の行動である。

・・・・・・明日に続く

◆ 巨大マンボウも出現!! バリの海

・・・https://youtu.be/8jdvnsOJjdg・・・

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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