【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》

古都、薬を売る老翁(壷公)がいた。翁は日暮に壺の中に躍り入る。壺の中は天地、日月があり、宮殿・楼閣は荘厳であった・・・・

めくるめく知のフロンティア・学究達 =127= / 栃本武良(03/24)

2021-01-23 06:46:43 | 浪漫紀行・漫遊之譜

生態がほとんどわかっていなかったオオサンショウウオ

驚くべきは国の特別天然記念物でありながら、その生態は謎だらけ

勤務する水族館でよく聞かれた素朴な疑問に答えようと研究をはじめた

子供たちに答えようと、ついには「日本ハンザキ研究所」を作ってしまった栃本武良

【この企画はWebナショジオ_“日本のエキスプローラ”/研究室にいって来た”を基調に編纂】

(文=川端裕人/写真=的野弘路、堀信行 & イラスト・史料編纂=涯 如水)

栃本武良: 第1回 激録・オオサンショウウオ夜間調査=3/3= ◆◇

オオサンショウウオの卵だ。

 オオサンショウウオはこの時期、川岸に開いた巣穴にオスが陣取って、メスを招き、産卵授精を行う。巣として好まれる場所として、穴の奥からの湧水があるところ、という条件があり、良い場所は限られるので、オス同士の闘争もある。

 勝ち残ったオスの巣穴にはメスが招かれ卵を産む。そして、産卵行動が始まると、いったん闘争に負けたオスたちも巣穴に入ってきてちゃっかり放精するというドラマ(?)が毎年繰り返される。最後の最後はみんなが授精のチャンスにありつくいい加減さがなんともいえない。それでも、ヌシは巣穴の奥で卵をゆり動かしながらずっと守り続けるのだという。

 さて、ぼくたちが(というか、正確には田口さんが)みつけた卵は50個くらいあり、ひとつひとつの直径が2~3センチメートル。1回の産卵で300~700個の卵を産むそうだが、おそらく台風の増水の影響で流出したものらしい。

 流水の中で見る卵は、砂をかぶってはいるものの、純粋に美しかった。ライトを反射して卵黄がきらきら光る。水晶の中に黄金を閉じ込めた球を、いくつも連ねた首飾りみたいだった。たぶん受精卵だが、放置すると、食べられたり、カビにやられたりして、結局は全部死んでしまうので、緊急保護ということでハンザキ研究所に持ち帰って孵化させることになった。

 ほくほくしながら宿に帰り、翌朝、田口さんに案内されて、会話の中で何度も出てきたトチモトさんこと、栃本武良所長が待つ日本ハンザキ研究所を訪ねた。 

第2回 「オオサンショウウオって何年生きるの?」” に続く・・・

栃本武良(とちもと たけよし)

1941年、東京都生まれ。NPO法人日本ハンザキ研究所所長。東京水産大学卒業後、生物科の教諭を経て、姫路市立水族館建設準備室着任。 昭和50年よりオオサンショウウオの生態調査を始める。 平成6年から姫路市立水族館長を11年間務め、退職後、日本ハンザキ研究所を設立。『大山椒魚』(解説、ビブロス)、『生物による環境調査事典』(編著、東京書籍)、『環境保全学の理論と実践3』(共著、信山社サイテック)、『これからの両生類学』(共著、裳華房)などの著書がある。
日本ハンザキ研究所のホームページhttp://www.hanzaki.net/

 ■□参考資料: オオサンショウウオ/大山椒魚 (3/3) □■

人間との関係: 以前は食用とされることもあった。河川改修やダム・堰堤建設による生息地の破壊、近畿地方の一部では人為的に移入されたチュウゴクオオサンショウウオとの競合・遺伝子汚染などにより生息数は減少している。食用の捕獲・採集は天然記念物に指定されているため原則的に行われていないと考えられているが、食用に密漁されている可能性もある。

日本では1927年に和良村(現:郡上市)の和良川および支流域(1932年に八幡町の鬼谷川水系、1933年に大和町の小間見川水系が追加)、川上村中和村八束村湯原町(現:真庭市)、院内町(現:宇佐市)と湯布院町(現:由布市)がそれぞれ「オオサンショウウオ生息地」として国の天然記念物、1951年に種として国の天然記念物、1952年に特別天然記念物に指定されている。

京都府の賀茂川において、食用として人為的に持ち込まれたチュウゴクオオサンショウウオが野生化しており、在来のオオサンショウウオとの交雑が問題になっている。近年の調査では、賀茂川での調査によって捕獲された111匹のオオサンショウウオのうち、13%がチュウゴクオオサンショウウオ、44%が雑種であるという結果が出ている。しかし、チュウゴクオオサンショウウオもIUCNレッドリストの「絶滅寸前 (CR)」、ワシントン条約附属書Iに記載、種の保存法国際希少野生動植物種に指定(「アンドリアス属(オオサンショウウオ属)全種」として)されており、法令等により保護されている。そのため、単純に外来種として処理できず、問題が複雑化している。

山椒魚」の名の由来は、一説に、山椒のような香りを発することによるという。平安時代以前からの古称に「はじかみいを」があり、これもすなわち、「山椒(はじかみ)魚(いを)」の意である。

また、「ハンザキ」の異称があり、引用されることも多い。由来として「からだを半分に裂いても生きていそうな動物だから」「からだが半分に裂けているような大きな口の動物だから」などとも言われ、疑問符付きながらこうした説を載せている辞書などもあるが、信頼できる古文献の類は現在のところ知られていない。ほかに、「ハジカミ > ハミザキ > ハンザキ」のように変化したとする説や、体表の模様が花柄のようにも見えることから「花咲き」から転訛した、といった説もあるが、これらについても現在のところ裏付けは乏しい。

オオサンショウウオは特別天然記念物であり、捕獲して食利用することは禁じられているが、特別天然記念物の指定を受けるまでは、貴重な蛋白源として食用としていた地域も多い。北大路魯山人の著作『魯山人味道』によると、さばいた際に強い山椒の香りが家中に立ち込めたといい、魯山人はこれが山椒魚の語源ではないかと推測している。最初は堅かったが、数時間煮続けると柔らかくなり、香りも抜けて非常に美味であったという。また、白土三平カムイ外伝』でも食用とする場面が見られ、半分にしても生きている「ハンザキ」と説明されている。

.-.-.- 【水中】オオサンショウウオが目の前に流れてく -.-.-.

動画のURL: https://youtu.be/WkHHsWyppg8

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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