少額訴訟のゆくえ | 横浜 コーディアル司法書士 所博之

横浜 コーディアル司法書士 所博之

LECと伊藤塾を通じて司法書士講師業25年のキャリアを活かしたブログ

9月2日、司法書士の簡裁代理権取得のための認定考査の結果発表があり、私が今年担当したグループでは11名全員が合格を果たしたとの報告を受けました。これも最初の研修で2時間にも及ぶ自己紹介で全員が仲良くなれ、LINEを通して何でも話し合い、連絡を取り合っていたことも功を奏したようです。

ここ最近は、合格率が5割を切るなどして難化傾向にありましたが、今年は、合格率も格段とあがり、ホッとしています。

 

また、今月末には、群馬県司法書士会から、かつて神奈川県司法書士会で労働問題WTが担当した司法書士事務所向け研修の要請があり、労働問題WTのメンバーと一緒に、群馬県司法書士会へ出向くことになっており、いろんな意味で楽しみにしています。

若手の司法書士等が、「ブラック司法書士事務所あるある」を寸劇にして楽しませてくれるため、結構面白い研修になっています。

この研修での様子等は、またの機会にブログに掲載するようにします。

 

さて、私が被告代理人として担当した2万円の訴訟ですが、結果的には敗訴に終わりました。

口頭弁論への出頭は、私だけでも5回ほどになりました。

裁判所も、こちらの主張である、原告の債務不履行及び損害賠償義務を認め、被告の主張する相殺の抗弁を検討してくれましたが、結局、被告の損害額は、原告が従業員を派遣したならば得られた金額を上回らないということで、原告の請求を認容する結果となりました。

ただ、被告の反論できることはすべて主張して戦っただけに、代理人としてもやり切った感があり、被告もこの判決を納得して受け入れてもらえました。

 

それとは別に、ある会社の従業員だった方から、福島の放射能汚染地域で働いたものの、危険手当が払われていないため、訴訟代理人になってほしいという依頼があり受任。現在、その依頼者は他の会社の社員として働くため、裁判所が指定する期日には出頭できないという理由から、訴訟代理人を引き受けました。

こちらの訴額は、当初、未払い危険手当19万円です。

 

こちらの方は、依頼者である原告は、レベル2(1日につき9,000円)とレベル3(1日につき18,000円)の手当てにつき、レベル2を1日につき1,000円、レベル3を1日につき2,000円、会社が負担する法定福利費を上乗せして計算していたため、その誤りを認め、結果的には17万円の請求となったケースです。

 

結局は、被告会社が帰宅困難区域の危険手当(1日につき6,600円)の未払いを14.5日分を認め、解決金として166,700円で、第1回口頭弁論期日に和解が成立し、ほぼ原告の求める金額を回収できました。1日で解決したことで、依頼者の原告には、司法書士に払う費用がかさまず、望ましい結果で訴訟が終わりました。

 

司法書士の場合、50万円以下の訴訟の場合、着手金は2~3万円とごくわずかですが、口頭弁論に出頭する場合や準備書面を別途作成したりする場合には、その都度、加算する報酬体系となっていますので、和解等で早く解決した方が、原告依頼者にとっては、結果的には得をすることも多いです。

 

今年も、神奈川県司法書士会の理事として裁判事件受託推進委員会を担当するだけに、少額訴訟を積極的に担当していきたいと思っています。

 

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