20年前のお値段です

20年前のお値段です

現在の私たちが常識だと思っていることがかつては全く違っていたなんてことがよくあります。
そんな昔と今の常識の違いについて思ったことを書いていきます。

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石破幹事長の軍法会議発言で相変わらず頓珍漢な批判をしている向きがあるので、ちょっと思ったことを書いてみます。

「9条を変えて日本を戦争のできる国にする」という言い方がありますよね。

この言い方がどういうことを意味するかと言うと、国の交戦権を否定した条文を改定すると、70年近く戦争をしてこなかったわが国が突如として、他国に戦争を仕掛ける事態が起きうると主張しているわけです。

他国はそもそも9条を持っていないわけだから、日本国憲法の9条を改定する前と後で何も変わっていないわけで、特別な事情が無い限り行動に変化は無いでしょう。
9条を変えたら戦争になると言う言い分は論理的に見て、変えた側が戦争を起こす主体になると見ているわけです。
つまり、改正に反対をしている人たちは、日本が戦争を起こす側になると考えていると言うことになります。
まあ、彼らの自民党に対する不信感を見れば、そう考えるのもわからなくは無いんだけど、そもそもの話としていまどき外国を侵略して何の得があると思っているのかな。

19世紀みたいに領土を獲得して植民地でも作るんですか?大体今の世界ではそんな危険なことをしなくても、国境を越えたビジネスなんていくらでもできるし、資源だって安全に手に入れる方法はいくらでもある。

9条改正反対派のイメージでは、9条がなくなると右派政治家が突如としてアジアへの侵略を開始するような話になっているけど(彼らのいうアジアはおそらく中国のこと)、そもそもいまどきの右派って中国からの撤退を主張しているのが主流だと思うんですが。

右派が中国からの撤退を主張していて、左派がアジアから孤立すべきではないと言って、更なる中国への深入りを求めているわけでしょう?ところが9条を改正すると、撤退を主張していたはずの右派がいきなり侵略を開始するわけですか。
うーん よくわかりません。

とにかく日本が悪いと言う方向で考えようとするから、主張に整合性がなくなってしまってます。

あと、この手の主張をする人たちは徴兵制の恐怖もあおりますよね。
一般人が突然招集されて戦場に送られると言うストーリーで、「改正賛成派は当然真っ先に戦場に行くんだよな!」なんて感じで脅迫してきます。
いまどきの戦争は高度なテクノロジーによって戦われていて、職業軍人で無いと武器ひとつ扱えないと反論されると、プロの軍人の数が足りなくなったから戦争をやめますなんて事になるはずが無い。素人だろうがなんだろうが徴兵で引っ張っていくに決まってるなんて言いだします。

でもね、ここで考えてほしいんだけど、一般人を招集して戦場に送るような戦況ってそうとうヤバイと思うんですよ。
職業軍人じゃ足りなくなって、素人を徴兵するような状況になったら、はっきり言えば負け戦です。

9条を改正すると、とたんに戦争を始めるような好戦的な政府なのに、いざ戦争になると一般人を徴兵しないと間に合わなくなるほど弱いわけだ。

ついに憲法を改正したぞ。とうとうわが国も戦争ができる国になった。よーし手始めに中国を侵略してやろう。

うわっヤベエ。負けてるよ。職業軍人じゃぜんぜん足りねえ。くそう、しろうとでもなんでもいいから徴兵して戦場にどんどん送り込んでやる!

バカみたいな書き方ですが、9条改正反対派の言い分を受け入れると、上に書いたコントのような状況を想定しないといけません。
そうしないと
《日本が主体的に戦争を起こすと《一般人を徴兵する必要性》と言う二つの目的を満たせないんですよ。

いついかなる状況でも日本政府が悪であるという命題を満たそうとするから、主張に整合性がなくなってしまうわけ。
あと、彼らのイメージしている戦争って明らかに第2次大戦型の総力戦だよね。70年も実戦から遠ざかっていた弊害なんだろうな。戦争のイメージの更新がまったくできてない。
憲法の改正よりもむしろこちらのほうがいざと言うときに問題を引き起こしそうな気がします。



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