昨年末から本格的な検討に入っていた多摩川付近を舞台にしたシェアサイクルの試みがいよいよ動き出します。
エリアとしては、「①登戸・向ケ丘遊園」「②二子新地~新丸子」「③殿町・大師河原」の3つで運営が始まります。
このうち①登戸と③殿町については川崎市、②二子新地~新丸子については流域の自治体や企業が共同で実施します。
というわけで実際のスタート時期は少しずれていまして、②だけは早くも2月1日から社会実験が始まります。料金は15分/60円、最大で1日(24時間)/1000円とのこと。
一方で、川崎市が主体となるエリアの①③は少し遅れて3月中旬からのスタートを予定しています。
市が実証実験を行うエリアについては委員会でも議論がありましたが、
まず登戸エリアで実施する狙いとしては、近隣にある生田緑地や藤子・F・不二雄ミュージアム、せせらぎ館などの回遊性を向上させて外国人観光客の取り込みを促進するとのことでした。
たしかにそれぞれの施設には微妙に距離があるため、シェアサイクルのニーズはあるのかもしれません。
ですが、事業として成り立つ程度のニーズがあるのかどうかはかなり怪しい気がします。だからこそ、この実験期間で確かめるということなのでしょう。
個人的には登戸エリアでシェアサイクルが流行るかどうかは、「食」の楽しみをどの程度供給できるかのかにかかっている気がします。
もちろん生田緑地や藤子・F・不二雄ミュージアムでも飲食はできますが、やはりせっかくシェアサイクルでうろうろするのであれば、
お店の方と観光客がちょっとしたコミュニケーションをとりながら食を楽しむようなコンテンツがあったほうがいいんじゃないかと思います。
そういった意味では、シェアサイクル単独での実験というよりは、それを活用して街全体で観光を盛り上げていこうとする必要があるのかもしれません。
さて、もう一つの市主体のエリアである「殿町・大師河原」エリア。
ここは登戸とは全く違うコンセプトで選ばれたエリアで、ここではシェアサイクルが担う役割を「公共交通の機能補完」と定義しています。
川崎市が殿町で力を入れている国際戦略拠点「キングスカイフロント」は交通の便があまり良くないため、これまで解決方法を模索していました。
現状は最寄り駅の京急大師線「小島新田駅」から徒歩15分か、川崎駅からバスで30分~40分程度です。
季節にもよるでしょうが、どの程度の方がシェアサイクルを使ってみようと思うのか。こちらもニーズがあるのかどうか、登戸同様にかなり心配ではあります。
ちなみにこの事業の運営費用は全て事業者負担で、市としてはポートを設置するための土地を無償で提供するという形で協力します。
実験は丸2年続ける予定となっていますので、その間私も何回か利用してみたいと思います。
以上、シェアサイクルの実証実験についてでした。最後までお付き合いいただきありがとうございました。