そのターゲットは日本にあらず | ヤモリのつぶやき

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日々のニュース解説等をつぶやきます......

 ここの所、通貨とか為替とか国債の話をよく取り上げている。
 どうもこの話になると一般の方の理解が遠いような嫌いがある。
 いつも言っているように日本は借金大国なんかではないし、アメリカの金利も金融政策で生じているものが主だ。
 そして変動為替を取って普通の経済政策をしている以上は、為替介入もない。
 為替介入にも一定のルールがあり、闇雲に為替操作をするような国家と理屈が異なる。
 そういったものはモロに数字に出てしまうので、ごまかしようもないものだ。
 これらについて、日本がしばしば槍玉に上がるんだが、これはダシに使われているのにすぎない。
 もし、強硬にねじ込まれたとしても、自国の経済政策上で発生した為替変動については、文句が言いようのでスルーできる。

 そういった大前提があるんだ、先般のこういった話で揺れる。
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【円安終了のお知らせ】米国、日本に「為替条項」要求へ 通貨切り下げ阻止 2018年10月14日
http://hosyusokuhou.jp/archives/48824437.html

 コメントを見ると結構無茶苦茶なことになっている。
 基本的な金融政策との関連が理解されてないようだ。
 関連ソースはこちらだ。
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米、日本に為替条項要求へ 通貨切り下げ阻止 2018.10.13
https://www.sankei.com/economy/news/181013/ecn1810130011-n1.html
 ムニューシン米財務長官は13日、日本との新たな通商交渉で為替介入をはじめとした競争的な通貨切り下げを防ぐ「為替条項」を要求する考えを示した。インドネシア・バリ島で記者団に語った。トランプ米政権は通商協議を通じて、他国の為替政策に介入する姿勢を鮮明にしている。
 円は主要通貨でもあり、日銀の通貨政策や金融政策を縛ることになりかねない。日本政府にとっては、為替条項は農産品の開放とともに受け入れがたい立場だ。
 ムニューシン氏は記者団に対し「今後の貿易協定に為替条項を盛り込むことが目標だ」と述べた。
 為替条項を巡っては、北米自由貿易協定(NAFTA)見直しでも合意内容に含めていた。韓国とのFTA再交渉でも通貨安の誘導禁止を付属文書に盛り込んだ。(共同)

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日本に「為替条項」要求へ=貿易協定で円安阻止狙う―米財務長官 10/13(土)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181013-00000035-jij-n_ame
【ヌサドゥア(インドネシア)時事】ムニューシン米財務長官は13日、日本と始める「物品貿易協定(TAG)」交渉で、通貨安誘導を阻止するための「為替条項」を協定に盛り込むよう求める考えを明らかにした。
 インドネシアのバリ島での記者会見で語った。トランプ米政権は貿易赤字拡大に神経をとがらせており、日本の輸出が有利になる円安・ドル高を防ぐ狙いだ。
 米国は、離脱を表明した環太平洋連携協定(TPP)の交渉過程でも為替条項の導入を迫った。しかし、通貨安を防ぐルールが導入されれば、日銀の金融緩和策が問題視される恐れがある日本などが強く反対。協定への条項導入は見送られた経緯がある。米国が利上げを進め、日本との金利差拡大が円安・ドル高圧力となる中で、TAG交渉の火種となる可能性がある。 

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 為替条項はこちら。
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https://kabupedia.net/policy352kawasejoko.html

 貿易を有利にするために為替安誘導を行っていた場合、対抗して関税を引き上げるという条項だ。
 しかし、先述の通り、為替介入をしていると即時にバレる。
 日本の場合、金融緩和をしているので必然的に円安傾向になる。
 また、アメリカの場合、利上げをしている最中なのでドル回収の関係でドルが高くなる傾向だが、ドル基準なら他の通貨が安くなる。
 日本にとっては、金融緩和を進めると円安になりすぎて、輸出は有利でも輸入が高くなりすぎて燃料高などで苦しむことになる。
 そんなものは百も承知であるから、ここは日本を含んだとしても日本が対象ではないのだ。
 
 つまりこれらはいつものブラフで、特亜を含む時に用いるテクニックと見ていい。
 対象は、官製固定為替の支那改PRCと南朝鮮だ。
 特に前者は、当たり前のことなんだが介入してないと維持が出来ない。
 官製固定相場=通貨バケット制は、目標為替レートを定めてそれに向けて常に介入をしている。
 だからこそ、手持ちドル切れになって米国債を小出しに市場に流しているのだ。
 これは、アメリカが金融緩和しているときは溢れたドルが押し寄せたが、金利上げで逆流しているから、なおさら為替安になり、為替安は困るからある程度容認しつつ介入するというスタンスだ。

 そして、このムニューシン米財務長官の発言は二重の意味で嫌味だ。
 というのは、アメリカが利上げを開始してから若干の為替安容認でなんとか凌ぐものの、国内には税制で誤魔化している。
 ↓↓↓↓↓↓↓↓
中国、関税再び下げ 11月に機械や紡績品など1585品目
18年、1兆円負担減 2018/9/26

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35799280W8A920C1MM8000/
中国:9月の輸出は持ち直し、輸入堅調-対米貿易摩擦でも 2018年10月12日
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-12/PGGUHR6TTDS001
▶9月の輸出はドルベースで前年同月比14.5%増-予想8.2%増
▶輸入は14.3%増、貿易収支は320億ドルの黒字

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 そもそもが為替高を作り出してドルを集めていたから、為替安に振れてもインフレと関税対策で当座はしのげるという算段だろう。
 しかし、ドルの切れ目が縁の切れ目となりそうだから、AIIBだったり一帯一路だったりするわけだ。
 ドルで集めて、人民元で支那改PRC人民に仕事をさせるんだから、ドルだけ手元に残る。
 また、この場合での貿易黒字は一時的なものになる可能性が高い。
 前倒し分を含んでいるからだ。

 こういった事もあって「他国の為替政策に介入する姿勢」を示し、為替介入を制限するとどうなるか。
 当然、支那改PRCが介入できなくなると為替は大きく人民元安に振れる。
 輸出も関税でマイナスなのに、輸入は割高になるからインフレ等では追いつかなくなる。
 ただし、為替が安くなってくると支那改PRCの輸出は楽になる。
 それと引き換えに国内の金融がガタガタしてしまうのだ。
 もし為替を完全変動為替に移行すればもっと楽になるが、当然、国内金融はパンクしてしまうだろう。
 言うまでもないことだが、ワロス曲線で有名な国家もすごく打撃を受ける。
 で、こんな話。
 ↓↓↓↓↓↓↓
中国人民銀行総裁「貿易摩擦激化で米中は共倒れになる」 2018年10月14日
http://hosyusokuhou.jp/archives/48824467.html

 共倒れって・・・・。
 河津掛か何かだろうか?

 相当お困りなのは伝わってくる。
 こういった裏事情があるから、ネットなどでもアメリカ許せん的な日米離間の話が飛び交うのだ。
 この為替などの仕組みが解っていないと、情報だけを見ると貿易摩擦のノリでアメリカが日本もターゲットにしていると勘違いしがちだから、そこにつけ込んでいるわけ。

 また、日本の多大な外貨準備高を国庫に組み入れろという話が飛び交うこともあるが、これも為替変動などの関係で厳しい。
 通貨防衛の意味が無くなってきたのであれば、貿易で必要な分を保持していればいいから組み入れてもいいだろうが、よほどチョロチョロやらないとドル売り円買いをしたのと同義になり、大きな変動をもたらしてしまうのだ。
 
 いずれにせよ、通貨と為替のバランスと貿易における効果というのはわかりにくいようで、実際はさほど難しくない。
 いつもの例えだが、潮の満ち引きのように大きな流れは政策で決まり、ここに天候での波が加わって高潮などを生み出す状態だ。
 まずは大きな波を理解し、その上で何を狙っているかが解ると、嵐も予想レベルが上がる、ということになろう。
 日々刻々と変わる世界情勢をうまく探知していこう。

 了

ガンバレ!日本!!
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