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■歯周病は口の中の病気だけではありません。歯周病が怖いのは歯を無くす事ではなくて、寿命を縮めるということです。

 私たちが虫歯にならないように再石灰化を促してくれたり、ご飯を食べた時においしい味を口の中に広げてくれたり、殺菌作用やクリーニング作用もしてくれる、たいそう優秀な役割をしてくれるものが口の中にあります。それは唾液(つば)です。
 皆さんも風邪をひいて口の中がカラカラになって唾液の出が悪くなった経験があると思います。風邪を引いて喉の調子が悪い時など、唾液のありがたさを思い知らされます。

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 ただ、それとは裏腹に、口の中の清掃不良により細菌が大量に繁殖して、肺炎を起こしてしまうケースもあるのです。それが、誤嚥性肺炎と言われるものです。唾液に存在する細菌が誤って気管の中に入り、炎症を起こし、肺炎を発症するのです。近年、肺炎で命を失う高齢の方には誤嚥性肺炎によることも多いのです。私たちが外来だけでなく、歯科医院に通院するのが困難な高齢者を対象に、老人ホームや居宅に出向いて口の中のケアをする理由がこれなのです。近年、誤嚥性肺炎を防止し、命を失う高齢者を減らしたいと、施設の方やご家族の方が口腔ケアの方法を学びたいと言って下さる方が増えてきました。

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「PRSIDENT」誌で、現在103歳の聖路加国際病院理事長の日野原重明先生は、健康維持のためには
①歯の健康を保つことこそ長寿の秘訣。
②歯と歯茎の間からばい菌が入って歯周病になると、その菌が全身をめぐってインスリンの活動に障害を起こし、糖尿病の原因になる。
③毎食後の歯磨きはもちろん、虫歯がなくても2~3ヵ月に一度は歯科でチェックしてもらうようにする。
と述べておられます。日野原先生は、ご自身の歯が17本の残っているそうです。

 歯周病が進むと歯ぐきが炎症を起こします。歯を磨いて、血が出るのは歯ぐきが炎症を 起こしている場合が多いのです。歯周ポケットの内面では歯ぐきの炎症によって、表面が傷のようになっているので、細菌が血液中に入り込みやすい状態です。血液中に入り込んだ細菌が心臓や血管に影響を与え、脳血管障害や心臓疾患を誘発します。口の中の細菌が心臓の内膜に炎症を起こす細菌性心内膜炎は、すでに多くの症例数が存在し、特に心臓などに先天性の奇形があったり、人工弁を挿入している場合などは、血液循環が悪くなる部分に細菌が付着しやすくなっており、細菌がその場所で増殖、炎症を起こしやすくなるのです。

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 歯周病と妊娠トラブルとの関係です。歯周病にかかっている母親が早産・低体重児出産を引き起こす確率が7倍も多いといわれています。妊娠するとホルモンのバランスが崩れて歯ぐきが腫れやすくなり、つわりによって歯磨きができない場合があり、歯周病が進行しやすい環境になってしまうのです。

 歯周病が早産・低体重児出産を引き起こすメカニズムとして挙げられているのが、歯周病が進んだ歯ぐきでは炎症性物質が増加し、その影響で子宮の収縮が引き起こされ、早産・低体重児出産になる、というものです。また、もう一つのメカニズムとして挙げられているのが、口の中の細菌が血液中に侵入し、胎盤を通じて胎児に直接感染が起こり、その結果、早産・低体重児出産になるというもの。どちらにしても、妊婦さんは歯周病と早産・低体重児出産の関連性を知っておき、歯周病が疑われるようであればしっかり治療し、定期的に予防治療を受け、セルフケアを怠らないようにするのが一番です。
 それから、虫歯菌が母子感染するので気を付けてください。

 先日、朝日新聞には、『出産回数多い→残る歯は少ない』の見出しで記事が掲載されていました。
記事には、出産回数の多い女性は将来、残る歯が少なくなりやすいことが、東京医科歯科大の植野正之准教授(健康推進歯学)と国立がん研究センターなどの共同研究でわかった。妊娠中はホルモンバランスが変化して虫歯などになりやすい上、治療を避ける傾向があるためらしい。

 植野教授は、「つわりの影響などで歯磨きがおろそかになり、治療も避ける傾向にある」と考察し、「きちんとケアすれば、歯を失うリスクを減らせる。妊娠中でも、一般的な歯科治療は問題もない。積極的に歯の病気の予防に取り組んでほしい」と述べています。
 他の歯科医も同じことを言いっていました。

 今回、誤嚥性肺炎、細菌性心内膜炎、妊娠トラブルの3つのお話をしましたが、それ以外にも歯が心疾患の要因になったり、その他にも糖尿病、肥満、骨粗鬆症、関節リュウマチなどの全身疾患の病気も口の中の細菌と関係していると言われております。内科医がみつけられない疾患の多くは、実は原因が歯科にある場合もあります。

【結論】
 歯周病の怖さは、歯を失う事だけでなく命を縮める事もある‼️



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