薄靄の森:水面8月9日 比良 / 音羽池 雨 池は深閑としていた。波紋が間断なく広がっては消え、まだ雨の降り続いていることが知れた。風が立ってもさざ波の造形が動くだけ。池の上の濃密な水蒸気が、森の音をすべて包み込んでしまうかのようだった。