「公共サービスを取り戻す」 | 真の国益を実現するブログ

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tni(トランスナショナル研究所)という国際的な民間シンクタンクが「公共サービスを取り戻す」というレポートを出しています。
https://www.tni.org/files/publication-downloads/rps_ja_web.pdf

このレポートでは、生活上欠かすことのできない公共サービスであるごみ収集や水道、電気等の事業が各国で一旦民営化された後、「再公営化(公的なコントールとマネジメントに戻すこと)」された事例が多数紹介されています。さらには、従来は民間で行われていたサービスが公営企業で行われることを「公営化」として、そういった事例も紹介しています。


公共サービスの民営化や官民パートナーシップ(PPPs)の問題点に関しては、労働者の権利や市民監視の低下等色々あるのですが、端的に言えば、民間企業では利潤追求が優先され、株主配当や親会社への利益還元が発生するため、推進派が主な事由としている料金が効率化等で一概に下がるわけではないということです。

レポートでは次のように述べています。そのまま転載しておきます。
民営化や官民連携の推進論者にはこの政策によって公共サービス運営が効率的になり安くなるとしきりに訴える。しかし、この主張は今までの研究でもこの調査でも覆されている。サービス運営を民間会社に委託する際、必ず余分なコストが生じるのは、親会社やその株主たちへの支払いが即座に発生するからだ。またインフラ整備の分野のPPP契約で弁護士や会計士は大いに儲かるが、市民にとって税金が効率的に使用されているとは言えない。数々の自治体の経験が自治体直轄のサービスは高いという神話を壊している。

「公共サービスを取り戻す」、このような運動は、特に我が国ではどちらかというと左翼や市民運動家によって担われてきたように思いますが、フランスの都市ニースでは保守政権下でも再公営化が進められてきたようです。

とにかくも、一旦民営化されてしまうと、「再公営化」出来たとしても莫大なコストがかかってしまいますので、最初から民営化しないことです。

民営化には反対すべきですが、デマには惑わされないようにしましょう
「松山市が水道事業の外資委託で料金が上昇」と拡散されていましたが、これはデマです。水道事業の運営自体を委託しているものではありませんし、水道料金に関しても委託(一部民間委託しています)とは関係ありません。
https://www.city.matsuyama.ehime.jp/kurashi/kurashi/josuido/info/ryoukin_oshirase.html

また、過日国会に提出された水道法改正案(今国会での成立は見送り)ですが、複数の市町村で事業を広域化して経営の効率化をはかるため、都道府県が計画をつくる推進役を担う内容であり、市町村などが経営する原則は守りつつ、運営権だけが売却できる仕組みを盛り込んだものです。水道施設ごと民間に売り払う、いわゆる「民営化」ではありません。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO33004370T10C18A7EA3000/


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