広島県立文書館で
令和元年の新しい収蔵品の展示があり
ちょっといい話を見つけました

しまなみ海道が走る島々は
広島県と愛媛県が混在しています

平山郁夫画伯の出身地で知られる瀬戸田島は広島県
お隣りの上島諸島(弓削島・佐島・生名島・岩城島)は広島県にすごく近いですが愛媛県です

上島諸島は水源に乏しく断水が頻発していて、お隣りの瀬戸田島に水道を延長して欲しいと要望したそうです

早速、瀬戸田町町長の和気成祥さんは、広島県庁に赴き、竹下虎之助広島県知事に要望を伝えたそうです
それが契機で昭和57年協定が結ばれて、昭和60年7月に敷設された海底送水管を通じて上島諸島へ送水が実現しました

写真の『春秋双幅』の掛軸は、昭和60年、送水実現の御礼にと白石春樹愛媛県知事が、竹下広島県知事へ送ったものですが、
平成20年、竹下(元)県知事はこの俳句掛軸を、瀬戸田町(元)町長へ『あなたが持つべき適任者』と送りました

左:内藤鳴雪 霞み兎 竹の梢か 東山
右:高浜虚子 葉鶏頭 夏急行 書を曝す

水道事業が県境を越えるのは珍しく『友愛の水』と呼ばれたそうです

パンフレットより