「ラ・ヨローナ～泣く女～」　★★★～スピンオフのパンチの弱さよ

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2019』の掲載にあたって」

スピンオフのパンチの弱さよ ★★★

（2019年／アメリカ／93分／The Curse of La Llorona） 【製作】 ジェームズ・ワン 【　監督　】 マイケル・チャベス【　出演　】リンダ・カデリーニ

マデリン・マクグロウ

ローマン・クリストウ

【あらすじ】

　19730年ロサンゼルス。

　ソーシャルワーカーのアンナは、母親から虐待を受けていると思われる２児の児童を訪問、閉じ込められていた児童を開放する。しかし、それ以来、身の回りで恐ろしい現象に襲われ、ついには自分の子供にまで及ぶ。

　アンナは助けを求めに教会に行くが、そこで彼女は、嫉妬に狂い自分の子供を殺した“ラ・ヨローナ”の存在を知ることになる―

【コメント】

　さて、今回行きつけのTSUTAYAでレンタルしてきたのは、ご存じジェームズ・ワンの当たり作品「死霊館」シリーズのスピンオフである本作。アナベル、シスターに続くもので、いつの間にやら“死霊館”ユニバースが形成されておりますな。

　とはいえ、僕は本編は大好きではあるものの、どうもスピンオフは完成度が微妙というか、そこらへんのホラーと変わりないんですよね～。まあでも、この死霊館ユニバースは覚えておいて損はないので、とりあえず鑑賞してみた次第です。

　ふむ、まあ今作も可もなく不可もなく。従来どおり怨霊やら悪魔やらの王道路線の、死霊館ユニバースらしいオカルト映画だったと思います。まあもっとも、本作も完成度としてはイマイチ、スピンオフというジャンルのパンチの弱さが出てしまっていると感じますが。

　『エクソシスト』や『オーメン』のような、良くも悪くも70年代の古き良き“THEオカルト映画”を踏襲しているので、映像的なゴア描写はなく、いつものビックリシーンだけに気を配っておけば非常に観やすいホラー映画。本筋である「死霊館」シリーズや「アナベル」シリーズとのリンクもあって、直接的な関連はないもののユニバース的な面白さもあり。個人的にはウォーレン夫妻もちょっと出てきてほしかったけどな～。

　だけど、やっぱりオーソドックス過ぎるというか、ラ・ヨローナという悪霊を紹介するにはあまりにもこじんまりしすぎている感は否めない。以前観た『アナベル死霊館の人形』のクオリティもまたしかり。ユニバースをどんどん広げていくのは結構ですが、オマケ感のあるスピンオフではなく本家に負けないくらいの完成度を目指してほしいものです。