「インビジブル・ウィットネス見えない目撃者」　★★★～小粒だがよく練られたミステリー

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」は、映画鑑賞後の率直な感想を伝えるため、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれる場合があります。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の趣旨についてご理解のうえ十分注意してお読みくださるようご了承願います。

「『シネマ報告書2020』の掲載にあたって」

小粒だがよく練られたミステリー ★★★

（20218年／イタリア／102分／Il testimone invisibile） 【　脚本・監督　】

ステファノ・モルディーニ

【　出演　】

リッカルド・スカマルチョ

ミリアム・レオーネ

ファブリッツィオ・ベンティボリオ

マリア・パイアート

サラ・カルディナレッティ

【あらすじ】

　実業家として名声を得たアドリアーノは、とある女性の殺人容疑のかけられる。

　彼の前に、これまで敗訴したことのない敏腕弁護士ヴァージニアが現れ、必ず無罪を勝ち取ると豪語する。

　ヴァージニアはアドリアーノに対し、事件当時に起こった出来事を包み隠さず話すよう要求、それにより無罪を勝ち取る道筋を立てるという。

　しかし、アドリアーノが真相を語っていくうちに、意外な真実が待ち構えていた―

【コメント】

　さて、今回も行きつけのTSUTAYAで映画を物色、宣伝文句に惹かれ手に取った本作を鑑賞。

　本作はおなじみ「未体験ゾーンの映画たち2020」で公開されたイタリア製の謎解きミステリーで、最近ミステリーフリークな僕としては興味をひかれたものだったので鑑賞してみた次第です。

　うむ、これもなかなか面白かったです。小粒だけどシナリオがよく練られていて最後まで目を離せないミステリーでしたね。最近は名が知られていない映画でも、このレベルの見応えある映画があって楽しい限り。

　昨今世間の目も厳しい不倫が下敷きとなっていて、美女と不倫中、不注意で交通事故を起こしてしまい、相手を死なせてしまう。しかし、救急車を呼ぶと不倫がばれてしまい破滅、それを阻止するために、証拠隠滅としてあろうことか車ごと湖に沈めてしまう。しかし、ちょっとした綻びから、死なせてしまった人間の親に目をつけられてしまう。そして、クライマックスに畳み掛けるどんでん返しへと展開していくわけですが、叙述トリックというかミスリードというか、主人公が語る再現シーンをうまくトリックに使っていて、まんまと騙されてしまう。多少うまく出来過ぎなところもあるけど、これはこれでミステリーとして十分に楽しめましたね。