猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

それでも夜は明ける

2019-10-19 22:24:56 | 日記
2013年のアメリカ・イギリス合作映画「それでも夜は明ける」。

1841年、奴隷制度が廃止される前のニューヨーク州サラトガ。自由証明書で認め
られた自由黒人で、白人の友人も多くいた黒人バイオリニストのソロモン・ノー
サップ(キウェテル・イジョフォー)は、妻子と共に幸せな生活を送っていたが、
ある白人の裏切りによって拉致され、奴隷としてニューオリンズに売られてしま
う。狂信的な選民主義者のエドウィン・エップス(マイケル・ファスベンダー)ら
白人たちの容赦ない差別と暴力に苦しめられながらも、ソロモンは決して尊厳を
失うことはなかった。やがて12年の月日が流れたある日、ソロモンは奴隷制度撤
廃を唱えるカナダ人労働者サミュエル・バス(ブラッド・ピット)と出会う。

南部の農園に売られた自由黒人のソロモン・ノーサップが、12年間の壮絶な奴隷
生活を綴った伝記を基にした映画で、第86回アカデミー作品賞を受賞した。自由
黒人のソロモン・ノーサップは、バイオリニストとして妻子と暮らしていたが、
ある日白人たちに騙されて奴隷として売られてしまう。彼は材木商のウイリアム
・フォード(ベネディクト・カンバーバッチ)に購入されるが、フォードは信仰深
く温和な性格で、ソロモンに目をかける。しかしそれを妬んだ農園の監督官ジョ
ン・ティビッツ(ポール・ダノ)に嫌がらせを受け、木に吊るされる。ソロモンの
命の危険を感じたフォードは、彼をエップスに売るが、エップスはフォードと違
って残忍な性格だった。
自由黒人や自由証明書といった言葉を私は知らなかった。ソロモンは妻子持ちで
比較的裕福な暮らしを送っていたようだ。当時の黒人にしては読み書きもできて
教養も高かった。ところが白人に騙されて奴隷として売られ、12年間も過酷な目
に遭うことになる。エップスは気に入らないことがあると奴隷を鞭で打つような
残酷な男だった。奴隷制度というのは何故できたのだろう。人間が人間を奴隷に
するなんて。当時の黒人は人間扱いされていなかったのだろうけれど。もっとも
大昔から白人の奴隷も存在していた。奴隷制度は人間の人格を侵害するものだ。
どれほど多くの人たちがその尊厳を踏みにじられてきたのだろう。
ソロモンは苦労の中でも希望を失わなかった。そしてカナダ人のバスに出会った
ことで運命が変わるのだ。これが実話だと思うと、胸が痛くなる。ソロモンの12
年間は返ってはこないのだ。何も悪いことなどしていないのにこんな過酷な目に
遭った人がいるなんて、本当に理不尽である。ソロモン役のキウェテル・イジョ
フォーや悪役のマイケル・ファスベンダーの演技も良かった。ラストはとても感
動的。おもしろかった。




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