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今回は、インプラントの審美性について書きます。

骨の十分あるところにインプラントを埋入するのは、とても簡単な処置です。

根管治療をきちんと行う方が、余程難しいといえます。

インプラント治療で難易度が高いのは、上顎の前歯部です。

当然、前歯はよく見えるところなので、高い審美性が要求されます。

この前歯部において、審美的に問題のあるインプラント治療は、現在の医療水準からみて絶対に許されません。

この前歯部のインプラント治療の難しさは、骨のボリュームが絶対的に足りないことです。

特に日本人の上顎前歯部は、骨、歯肉ともに非常に薄く、歯を失えば骨造成や歯肉移植が避けられないケースが非常に多いのです。

また、インプラントの埋入位置、埋入角度、埋入深度など、一つでもうまくいかないと、決して良い結果が望めません。


特に、インプラント手術をする歯科医と、補綴する(被せ物を入れる)歯科医が別々だと、審美的に仕上げることが非常に困難です。

なぜなら、インプラントの手術の時点で、被せ物がきれいに入るか否かが決まってしまうからです。

インプラント専門医がインプラント手術をして、補綴医が歯を作る分業スタイルでは、審美的な成功は難しいのです。


もっと厳密にいうと、歯を抜いてインプラントにする治療計画を立てたら、抜歯~インプラント手術~補綴(被せる)までを、一貫して同じ歯科医が行ったほうが審美的にうまくいきます。


どのような種類の被せ物にするのか?
どのようなインプラントの種類を使うか?
どのようなインプラント・アバットメントにするのか?
骨移植や歯肉移植は必要か?
被せ物は固定式か、可撤式か?

など、これ以外にも、インプラントを埋入する前に、考えなくてはいけないことが沢山あります。

したがって、治療毎に担当医が変わるようなシステムでは、よい結果は望めません。

インプラントを埋入するだけで、実際に歯を補綴をしなければ(被せなければ)、自分の行ったインプラント手術の本当の成否がフィードバックできないのです。

インプラント手術と補綴(被せる)する歯科医が同じあることが、審美的なインプラント治療には望ましいと言えるでしょう。



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