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今回は、抜歯後の治癒不全について書きます。

抜歯後の治癒不全には、大きく分けて
●抜歯後感染
●ドライソケット
が挙げられます。

抜歯後感染については、後日記すことにします。


一般的に、抜歯を行うと、歯根があった場所は窪んで穴(抜歯窩;ばっしか、歯を抜いた後の穴)になります。

通常、この穴は血液で満たされ、血餅(けっぺい;かさぶたのような血の塊)が出来て食べ物などの異物が入らなくなり、平らに治癒していきます。

ドライソケットは、この抜歯後の穴が血餅で満たされず、骨がむき出しになった状態を指し、強い痛みを伴います。

骨の硬い下顎で生じるドライソケットがほとんどで、上顎では滅多に起こることはありません。

ドライソケットの原因は
●抜歯後、口をゆすぎ過ぎた為に血餅が流されてしまった場合
●骨密度が高くて骨が硬いために、抜歯後、骨からの出血が極端に少なく、血餅が出来にくい場合
●難抜歯のため、注水下による歯や骨の分割や切削を長時間行った場合
などが考えられます。

ドライソケットの治療は、まず抜歯窩(歯を抜いた後の穴)の洗浄と消毒を行い、抗生剤の軟膏を注入をするなど、保存的な処置を優先的に行います。

この方法により、抜歯窩への食片の侵入を防ぎ、痛みを和らげることが出来ます。

もし、この保存的な方法で症状の改善が見られない時には、抜歯窩を麻酔下にて再度掻把(そうは;きれいに掻き出すこと)し、出血を促して再び血餅が出来るように対処します。


抜歯後、出血がほとんどない場合には、喜んではいられません。ドライソケットになる確率が高いからです。

このような場合には、抜歯窩への血餅保持と異物侵入を防ぐため、スポンジ状のコラーゲン製剤などで抜歯窩を満たして置くことが、ドライソケットの予防のためには重要です。

いずれにしても、処方された抗生剤は、感染予防のために、きちんとお飲みになることをお勧めいたします。


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