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今回は、噛み合わせのタイプについて書きます。

噛み合わせを見るとき、上顎の歯と下顎の歯の前後的なずれを、次の3つのタイプに分類します。

classⅠ(Ⅰ級) 上下の歯が正しい前後的位置関係にある(正常咬合)
classⅡ(Ⅱ級) 上顎に対して、下顎が後方にある(出っ歯傾向)
classⅢ(Ⅲ級) 上顎に対して、下顎が前方にある(受け口傾向)


この中で、classⅡの、下顎が後方にある歯並びおよび噛み合わせは、顎関節にストレスがかかり、顎関節症にかかりやすい状態です。

顎関節にある関節円盤というお皿が、前方にずれを起こすと、顎の開閉口時にいわゆるクリック音と呼ばれる顎関節雑音を発するようになったり、顎が開きにくくなったり、開口するときに痛みを生じたりします。

関節円盤の前方転移(ずれ)が、顎関節症では頻度が高く見られます。

この原因の多くは、下顎の後方へのずれや、噛み合わせ高さの低下です。


このタイプの顎関節症は、下顎を前方に突出させ、アントニオ猪木氏のような受け口にした状態から大きく開口すると、顎は音も引っかかりもせずスムーズに開けることが出来ます。

顎を閉じるときは、同じく受け口の状態に戻るようにします。

これを数回繰り返すと、顎の音や引っかかりはなくなります。


顎を前方に出すことで、前方にずれている関節円盤が本来の正しい位置に戻り、顎の音や引っかかりがなくなるという理屈です。


しかし、下顎の位置がこのような位置では食事が噛めないので、根本的な解決にはなりません。

歯並びや噛み合わせの根本的な治療を行い、下顎の後方へのずれを治すと、この手の顎関節症の多くは、治癒および症状の大幅な軽減をみます。

この治療の一つとして、矯正治療は無くてはならない治療です。

顎関節症でお悩み方は、マウスピースだけでなく、歯列矯正も視野に入れた治療を検討されたほうが良いかもしれませんね。


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