エリゼ宮のごはん | フランスの自然療法で美しいからだとこころを手に入れる Île des fleurs Paris イル・デ・フルール・パリ

フランスの自然療法で美しいからだとこころを手に入れる Île des fleurs Paris イル・デ・フルール・パリ

パリ在住19年のTomomiが、フランス本場アロマテラピーや自然療法のお話、日常生活をお届けします

こんにちは。アロマトローグのTomomiです。

 

Covid-19の最前線で戦っている人に敬意と感謝を表明したいと思います。

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先日、フランスのエリゼ宮に英国のエリザベス女王が招かれた時のディナー

のドキュメンタリー映画を観ました。

2015年なので、オランド大統領の時代です。

当たり前ですが、私が知っているフランスのレストラン料理とは

まったくルールが違っていて、とても興味深い映画でした。

 

エリゼ宮では、当時35歳の第5共和制でもっとも若いシェフが

毎日ごはんを作っています。

日によって食事の人数は異なりますが、200人くらいのごはんはザラ。

レストランと違って、同時にごはんをサーブしないといけないので

メニューは限られるのだそうです。

妊婦さんがいるかもしれないので、カマンベールチーズは特別な処理のものを。

(フランスではチーズ屋さんのチーズは基本無殺菌乳で作ったものですが

殺菌はしてないけれど、病原菌となるものを減らした処理を施したもの)

その産地の工場では、チーズ鑑定士なる化学者が、香り、味、成分を分析して

各チーズを評価していました。

そんな細かい決まりもあるんですって。

 

そして、毎日のご飯なのか、特別な日のディナーなのかで

やっぱり中身も違います。

日常的なごはんは、ちょっと冒険もできるのですが

特別な日はとにかく「クラシック」が重要。

ザ・フレンチ!じゃないといけないのですね。

 

国賓エリザベス女王のディナーに向けて、シェフはメニューを考えるわけですが

やっぱり「フランスのもの」だけで編成します。

フォアグラ、仔牛、パン、チーズ、野菜、ワイン、すべてフランス産のもの。

 

フォアグラは、フランスのランジス市場で最高級の食材を扱う業者のところで

オススメの素材を見せてもらい、気に入ったものを発注していました。

でもチーズやお肉は、エリゼ宮の近所のチーズ屋さん、お肉屋さんの店主に相談して

いいものを発注していましたよ。

さらに、あるとき展示会に出展していたジャム屋さんは

エリゼ宮のスタッフがスタンドに立ち寄ったことから、契約が決まったのですって。

コネだけかと思っていましたが、契約生産者さんは固定せず

いろいろなところと契約して柔軟性を持たせているそうです。

 

なるほどなーと思ったのが、「リーズナブル」なものを所望するのですって。

エリゼ宮だからさぞかしお高い食材をバンバン使っているのかと思いきや

予算は時代に合わせて切り詰められていて

さきほどのジャム屋さんはサルコジ大統領の時に契約していたのだけれど

オランド大統領になったときに「高すぎる」ということで契約終了。

でも、エリゼ宮と契約した実績で、全国から注文がくるようになり

日本にも輸出しているんだそうです!!

確か、オランド大統領の時に

7月14日のパリ祭のパレードの後のランチはなくなったんですよね。

オランド大統領のときに、カーブのワインも売りに出したのだそうです。

 

また、大統領によって好みが違うので、契約する生産者さんも変わるのは当然です。

シラク大統領の時に届けていたパン屋さんによると、彼は焼き加減はマイルド。

その息子さんがオランド大統領のパン屋さんになったのですが(親子ですごいですね)

彼はよく焼いたパンが好きなんだそうです。

(フランス人のバゲットの焼き加減の好みは結構はっきりしています)

サルコジ大統領はミモレットチーズが好きで、それ以外はあまり食べなかったけど

オランド大統領はチーズが大好きで、いろいろな種類を届けているとのこと。

でも、最近は予算なのか好みなのかわかりませんが、量は減ったということです。

(そんなプライベートな話、しちゃっていいのでしょうか 笑)

 

若きシェフの責任は重大で、失敗は許されない。

なので、大統領の好みを知り尽くし、「ちょうどいい」食事を毎日作らなければならないし

特別な日のディナーとなれば、大統領の一言で、どんなに準備ができていなくても

始めないといけないわけです。

3つ星レストランとはまた違う、緊張があるわけですね。

世界中の来賓がくるディナーでは、何か粗相があればすぐ世界中に知れ渡るリスクも。

レストランと違って「シャンパンをプレゼントしますね」とか

「次のディナーは無料で!」というお詫びもできない立場なわけです。

 

エリザベス女王とのディナーは、前日くらいから会場セッティングが始まります。

なんと、人数に合わせて変わるからだと思いますが、テーブルの脚の上に板を渡しただけのもの!

もちろん、きれいにアイロンをかけた真っ白のテーブルクロスを敷くものの

木の板!?というのがビックリポイントでした。

テーブルの脚が来賓に当たらないように微調整して、会場セッティングが終わると

今度はテーブルセッティング。

これは指紋がつかないように白い手袋をして、クリストフルのカトラリーとセーヴル焼のお皿が

すべて等間隔で並べられます。ちゃんと測っていましたよ。

 

1903年の国賓が来た時のメニューは、16皿!!

でも、今は食事にかける時間も減って、4皿(前菜、メイン、チーズ、デザート)だそうです。

エリザベス女王との食事のシーンは、国防の観点から禁止されたので

乾杯のシーンでこのドキュメンタリーは終わるのですが

前菜・トリュフのブリオッシュとフォアグラ&トリュフ

メイン・仔牛のローストバターソース(かな)、ジロール茸添え

チーズ・チーズ盛り合わせ(カマンベール、シェーヴル、コンテ、ブルー、ルブロションかな)

デザート・いちごのデザート

だったようです(かなり推測ですが)。

 

今はマクロン大統領の時代。

彼はトランプ大統領が来た時に、エッフェル塔のアラン・デュカスのお店でランチをしました。

(おそらくエリゼ宮でディナーもしているはずです)

結構イベントではアラン・デュカスにお願いしているらしい。

でも、やっぱりエリゼ宮のあのシェフが、彼の好みにあったメニューを毎日考えて

作っているのでしょうねー。

エリゼ宮だけでなく、日本の皇居でも同じようにシェフたちが毎日ごはんを作っていますよね。

どんなものを食べているのかな?と考えるのも楽しいです。

今度エリゼ宮のそばのチーズ屋さんに行ってみようかな!?

 

 

 
これはエリゼ宮じゃないけど、あそこにはこんな部屋もありそう🇫🇷