Zciffra =シフラ(ツィッフラ)の演奏能力は指が回るだけではない。
このビデオを観て分かる通り、作品・作曲家の神髄を表現できる芸術家である。
それが何故か、二十世紀では、一部の者に、散々、「テクニシャンだ」と貶されてきた。
私から見れば、僻んでいるだけだと思われるのだが。
”This recording is the answer to the accusation that Cziffra was just a technician.
Here we have exquisite musicality and taste.”
こんなコメントが寄せられているが、その通りだと思う。
この演奏は、まるで教会の中のパイプオルガンを彷彿させる様な響きを醸し出している。
初めてヨーロッパの教会で、パイプオルガンを聴いた時の事を思い出した。
重厚な響きが上から降りて来て、そこに「神」が降臨して来たか?!
と錯覚させられる様な音だった。
ピアノでそれを感じさせる事は、指が回れば出来る事ではなく、
「感性・音楽性」が優れているからに他ならない。
今は自宅に居ながら、こんな素晴らしい演奏が見られるのだから
良い時代に成ったものだと、感謝の気持ちが湧いてくる。