【旧 十月七日 仏滅】立冬・地始凍(ちはじめてこおる)
 先週は立冬に入ったとは思えないような陽気でした。本来この時期に使うべき「小春日和」という言葉さえも似つかわしくないほどの気温でしたね。ところが、意外にも紅葉のシーズンは例年と比べると早めに訪れているようです。モミジは落葉前に色が変わる現象をさす「黄葉《もみ》づ」という動詞が名詞化したものです。

秋山にもみつ木の葉のうつりなばさらにや秋を見まく欲《ほ》りせむ
  ~山部王《やまのべのおほきみ》 『万葉集』 巻8-1516 雑歌

秋山の紅葉した木の葉が散ってしまったら、もっともっと秋を見たいと思うでしょうか。

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Photo:奈良公園の紅葉

 モミジとカエデはどちらもカエデ科カエデ属の植物なので植物学的には分類されていません。ただし園芸や盆栽の分野ではそれぞれ呼び名を変えています。葉の切れ込みが深く子供の手の指のように別れているのが「モミジ」。一方水かきがある蛙の指のように切れ込みが浅いものを「カエデ」と呼んでいます。カエデは「カエルの手」が語源だったのですね。

楓の葉のくれない深き一枚が目の前に落つ護符のごとくに
  ~松村あや 『福錦のシコナのごとき』

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Photo:イロハモミジ(左)とトウカエデ

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