2018年の作品、タイトルは「襲撃」。
1980年代、税務局の勇気ある職員の元で、
所得税を徴収すべく活躍した人々の実話を元にしている。
<ストーリー>
アメイ(アジェイ・デーブガン)は妻のマリニ(イリヤナ・
デクルーズ)と二人暮らし。1981年ウッタル・プラデシュ州
の州都ラクノウの所得税部門に赴任する。
ある日、アメイはシータガルの大物ラメシュワル(ソウラブ・
シュクラ)が蓄えた裏金についての匿名の電話を受け、
調査を開始するが、部下たちは家族に被害が及ぶのを恐れ、
同行を拒否する者もいた。
アメイ一行はラメシュワルの屋敷を捜索し、同時に関係する
工場や会社も一斉に捜査を始めた。そして屋敷の至る所に
隠された現金、金塊、宝石類を発見する。
一族でも使いきれないほど持っていても、
更に・・・と言うのは人間の欲望は果てしない。
ラメシュワルはインディラ・ガンディー首相に助けを求めるが、
要求が受け入れられないと知りアメイの妻マリニを襲わせる。
そして暴動を起こさせ、民衆に屋敷を襲わせる。
屋敷を取り囲まれたアメイとラメシュワルの家族は、
裏から逃げ出すがアメイは部下と家族を逃がして自分は残る。
首相が派遣した警察の部隊が駆けつけ暴動を制圧し、
ラメシュワルは脱税で収監される。ラメシュワルは、
刑務所で誰が自分を密告したのか、家系図を書いて、
考えている・・・。
アメイは手柄を立て次の町へ異動して行く。
タレ込んだのは誰か?
ラメシュワルの一番下の息子の嫁だったのだが、
嫁には結婚前に恋人がおり、ラメシュワルに望まない
結婚をさせられた事を恨んでおり密告したのだった。
インド人は税金を払わないと言う事が判明したのは、
2016年11月にモディ政権が突然打ち出した、
「ノートバンディ」と言う高額紙幣廃止令の時だった。
国民の95%が納税していない、と言う日本人からすれば、
「マジか?」と思う数字が出た。
年収10万ルピー以下の人は無税であるから、
その辺りの物売りの人々は恐らく無税である。
で、所得がバレないように銀行に預金せず、
タンス貯金のように自宅に隠し持つ人が多い。
入出金が解らないように現金取引するのも、
税金逃れの方法である。
ノートバンディを機にキャッシュレス化が進み、
アーダルカードと言うマイナンバーみたいな物も発行され、
お金の流れが少し見えるようになってきているとは思う。
こう言う脱税者がいるから、取りやすい外国人から
高額の所得税を巻き上げているのだと思うと腹立たしい。
アジェイ・デーブガンは硬派な役が良く似合う。
タイプでは全然ないが上手い役者だと思う。