私は福岡県在住なので、今回は福岡県独自のローカルなネタを書かせていただきます。

 

最近、ちょっと気になったことがあります。
ここのところマイベストプロ(https://mbp-japan.com/fukuoka/arimatsu/)で持続化給付金(https://www.jizokuka-kyufu.jp/)の申請の体験をコラムに書いたりしているせいか、持続化給付金の申請について相談にいらっしゃる方がちょくちょくいらっしゃいます。
これに関しては、私も専門家ではないので、あくまで自分も申請した体験者としての立場で、お互い苦しい状況の中でお力になれるのならと、私の知ったことをアドバイスさせていただいたりしています。

それは良いんですが、相談に来た人の大多数が口を揃えていうことに「国の持続化給付金を先に申請してはいけない。国に申請する前に福岡県の持続化緊急支援金(https://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/kinkyushienkin.html)を申請した方が得だと聞いた。」というものがあります。

 

たしかに、そういう例はあるようです。
これは、福岡県の支援金の要件に穴があったことによるもので、
国の持続化給付金の要件には
・(コロナの影響で)今年の1月から12月までの前年同月比で売上が50%以上減少した月があること。
というのがありますが、
福岡県の持続化緊急支援金の要件は
・申請の前の月までの前年同月比で売上が30%以上50%未満減少した月があり、かつ、50%以上減少した月がないこと。
となっています。

 

つまり、あくまで福岡県の支援金は国の給付金の要件から漏れた事業者を救済することが目的なのは明らかですが、この要件を上手に読むと、例えば、4月までうまく前年同月比と同レベルに売上を維持できて5月に売上が40%落ちたとすれば、6月に福岡県の持続化緊急支援金の要件を満たしますので県に申請できます。
そして、福岡県の支援金をもらった後、8月に売上が60%落ちたとすれば、今度は国の持続化給付金の要件を満たして申請できることになりますが、そこについて福岡県の支援金には何も規定がありません(ちなみに北九州市の同様の支援金には「国の持続化給付金を受け取った場合には返金してもらう」といった規定があるようです。)。
福岡県も、この規定の穴は認めていて、福岡県の支援金の受給後に、国の給付金の要件を満たして支給を受けても返金は求めないと発表しています(https://www.nishinippon.co.jp/item/n/605042/)。
なお、福岡県の支援金の受付は6月いっぱいなので1月から5月までの売上が基準となります。

 

結果的に、いきなりドカンと売上が落ちた人(場合によってはそれが継続しちゃった人)より、だんだんと売上が落ちた人の方が手厚い支給を受けられることになりますから、なんともおかしな状態になりますが、その是非はさておいて、そしてそれを私に相談に来た方が誰から聞いたかというと、事業主同士の世間話もありますし、それなりの専門性のある人から聞いたというのもありますし、とある政治家の秘書から聞いたという人もいました。
つまり、それなりの知識や立場にある人たちが言いふらしてるんじゃないかと思うんです。
たしかに、こういう要件の穴は知識や行政に通じている人でないとわからないことですから。
それも、今私が書いたような要件を踏まえたキチンとした知識ではなく、単なる順番として「県→国の順番に申請したら二重にもらえる」という一見"おいしい"情報が拡散している気がします。

 

でも、そもそも国の持続化給付金の申請をしようとして相談に来ているのは、持続化給付金の要件について誤解がない限り、すでに50%以上の売上減少があるので、その時点で福岡県の支援金の申請要件を満たさないんです。
こちらとしては、ある程度、そこの説明をしてあげないといけないわけで、しかも数字の話なので相手にわかるように伝えるのはすごくややこしいんです。

 

申請の受付開始前に要件に穴があることが発覚したのにそのまま制度をスタートさせた福岡県もちょっとどうかなと思うのですが、そういう穴を突いて、しかも、その人に合った情報を提供するのではなく、中途半端な情報をさも"おいしい情報"みたいに拡散させる人がいることに、最近ちょっと苛立ちを覚えています。

 

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